自家用ジェットの「途方もない」CO2排出量、全体像が初めて判明、超富裕層の車代わり
気候変動を抑えるには規制が必要
研究者たちは、プライベート航空業界に対する、もっと優れた規制が必要だと考えている。 プライベート航空機の多くは米国に拠点を置いている。米国の人口は世界全体の約4%だが、プライベート航空機の約68.7%が登録されていて、今回の研究で分析されたフライトのほとんどが米国国内での運航だった。 「平均的な人々よりもはるかに多くのCO2を排出している富裕層が率先して排出削減に乗り出さなければ、誰も排出量を減らそうとは思わなくなるでしょう」とゲスリンク氏は言う。 世界で最も裕福な人々が、気候変動を悪化させるCO2を最も多く排出している。国際非政府組織(NGO)オックスファムの2024年10月の報告によると、世界で最も裕福な億万長者50人の1年間のプライベートフライトは平均184回で、その1人あたりのCO2排出量は平均的な人の300年分に相当する。 「今回の研究の最も重要な意義は、富裕層がもたらしている被害に対して彼らに課金する根拠になり得ることでしょう」とゲスリンク氏は言う。「私たちは排出量に価格をつけることができるからです」
文=Olivia Ferrari/訳=三枝小夜子