東急スクエア「クラソ」に 香林坊、3月改称 所有のリオ、テナントは営業継続
金沢市中心部の商業施設「香林坊東急スクエア」が来年3月1日、「クラソ・プレイス香林坊」に名称を変える。所有権が東急(東京)からリオ・ホールディングス(HD、東京)に移ったことに伴い、名称を刷新する。現在のテナントは営業を継続し、空きテナントには街中のニーズに応じたショップを誘致して業績の回復を目指す。リオHDの小杉裕康副社長が3日、北國新聞社の取材に明らかにした。 施設名の「クラソ」には、「ここで暮らそう」とのメッセージを込め、洗練されたスタイルを提供しながら訪れる人が自然体で過ごせる場所を目指すという思いを表した。3月1日までにビル壁面のロゴマークを変更する。 リオHDによると、現在施設に入る生活雑貨店「ハンズ」、人気セレクト店「ユナイテッドアローズ」、書店「うつのみや」、映画館「シネモンド」などのテナントは、名称を変更した後も営業を続ける。 香林坊東急スクエアが入る金沢市香林坊2丁目の「香林坊第一開発ビル」は、商業棟が地下1階、地上5階。金沢東急ホテルとともに1985(昭和60)年9月にオープンした。商業棟の名称は2016年に「香林坊109」から香林坊東急スクエアに変更した。 東急が運営していた商業棟は全体の1割超で空きテナントが解消できず、業績不振のため11月29日にリオに所有権を売却。ホテルは引き続き東急が金沢東急ホテルの名称で運営する。 リオと東急を巡っては、2020年に東京・八王子市の「八王子東急スクエア」を同様の理由でリオが購入し、「八王子オクトーレ」として運営している。リオによると、ホームセンターや予備校など周辺の需要に合わせたテナントを誘致したことで、現在は経営が改善しているという。 クラソの運営を担うリオ・モールマネジメントの社長も務める小杉氏は幅広い世代の集客を図る意向を示し「金沢市中心部のシンボル的な施設であり、周辺のにぎわいづくりに貢献したい」と意気込みを示した。