【広島好き】高速化が進むプロ野球界にあらがい、13年連続一軍登板の通算80勝の野村祐輔が現役引退
今季はここまで2試合の登板し与えられていない。21年から一桁登板のシーズンが続いたが、それでも腐ることなく、与えられる登板機会を待ち、そこに向けて全力を注いできた。
明大の後輩でもある森下は「自分のやるべきことをしっかりやられているなと。自分のことを分かっていて、練習の準備もいちばん多くやっていた。本当にすごいなと、日頃から見ていた」と感じていたと言い、1年目の常広も「祐輔さんは練習始まる前から1人で先に来て練習したりする姿を見ていた。気づいたのはキャッチボールの重要性。しっかり丁寧にボールを投げている印象です」と振り返る。
技巧派として、わずかな制球ミスも許されない勝負の世界を生き抜くために必要なことだったのかもしれない。ここ数年は苦しいシーズンが続いたが、そんな姿は若い選手には生きた教材となった。
新井監督は今季最終戦となる10月5日、本拠地マツダスタジアムでのヤクルト戦に先発させることを決めた。後輩にとっても、ファンにとっても、その姿を目に焼き付けることができる最後の登板となる。
文:前原淳
前原淳