米収穫量4万トン下振れ 作況指数101に低下 需給一段と引き締まり
農水省は19日、2024年産米の作況指数(平年作=100)が10月25日現在で101の「平年並み」になったと発表した。記録的な高温で九州を中心に作柄が低下し、前回(9月25日現在)の102の「やや良」から下げた。予想収穫量は679万2000トンで、前回から4万1000トン下方修正した。来年6月末時点の民間在庫量は160万トンを割り込み、過去最少の今年に次ぐ低水準となる見通しで、需給は一段と引き締まる。 【一覧】全都道府県の米作況指数(10月25日現在) 同省は10月下旬、前回の9月25日時点の予想収穫量を基に、来年6月末時点の民間在庫量が162万トンになるとの見通しを示していた。今回公表された予想収穫量を単純に当てはめると、来年6月末時点の民間在庫量は158万トンに落ち込む。 6月末時点の民間在庫量は、主食用米の需給状況を表す指標となり、米業界は180万~200万トンを適正水準としている。米の品薄が問題となった今年は153万トンで、統計を始めた1999年以降で最少だった。来年は今年に次ぐ低水準になる可能性がある。 一方、同省は来年1月、最新の需給動向などを踏まえ、主食用米の需給見通しを再検討する方向だ。この数値次第では、来年6月末の民間在庫量は変わる可能性もある。 作況指数を地域別に見ると、前回から変動したのは東海、近畿、九州。天候に恵まれ、粒の肥大が進んだ近畿が1ポイント上げた一方、台風で倒伏被害の出た東海と、高温で登熟が進まなかった九州は1ポイント下げた。 都道府県別では、上げたのが8府県、横ばいが22道県、下げたのが17都府県だった。(北坂公紀)
日本農業新聞