がん告知後のメンタルはどうなるのかご存じですか? 心のケアや不安との向き合い方も医師が解説
がんの診断を受けることは、患者さんやその家族にとって非常に大きな不安やショックを与えます。そして、不安や葛藤を抱えながら治療に臨むのは決して容易ではありません。今回は、そんながん患者さんの“心のケア”に焦点を当て、「こころサポートクリニック」の平山先生に話を伺いました。 【イラスト解説】がんを予防する“5つの習慣” [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「がんかもしれない…」「がんと告知された」メンタルにどのような影響を及ぼす?
編集部: 「がん治療は心を保つことも大事」と聞きました。 平山先生: そうですね。治療や検査手段の進歩により、がんは以前のような「不治の病」ではなくなりました。それでも、やはり前向きに心を保ちながら、がん治療を続けることは簡単ではないと思います。そのため、私は「無理に前向きになる必要はない」「がん治療と上手に付き合うことが重要」と、患者さんにお伝えしています。 編集部: 実際、がん患者さんが精神的不調をきたすことは多いのでしょうか? 平山先生: がん患者さんの多くは、がんの告知や病状の悪化、薬の副作用などに対する不安や心のつらさを経験します。また、「眠れない」「途中で何度も起きてしまう」といった不眠症状や、「食欲がない」「食べられない」といった食思不振などをきたす患者さんも少なくありません。がん患者さんが様々なストレスによって、何らかの精神的不調をきたすことは多くみられます。 編集部: 具体的に、どのような症状が出ますか? 平山先生: 例えば先述した「眠れない」「食べられない」のほかに、「がんの告知後、頭が真っ白になって何も手につかない」「不安が強く治療を始められない、継続できない」「将来に対してネガティブな事ばかり考えてしまう」「がんや、がん治療のことばかり考える」といった声はよく耳にします。さらに「暴飲暴食をしていたからこうなった」「仕事を無理しなければよかった」「がん検診を受けていれば……」といった後悔に駆られ、「家族や職場に迷惑をかけて申し訳ない」「自分のせいで」と自責的に考えてしまう人も多くいらっしゃいます。