結婚、出産経て復帰した26歳ガールズケイリン選手 一筋縄ではいかなかったトップレーサーへの道
エリート揃いの112期で在校1位
日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)にストレート合格し、112期として入学。同期は個性派揃いで、上位で活躍している選手も多い。 「自分は周りの人や練習環境に恵まれる人生なんです。プロを目指して藤田剣次さんにお世話になり、同門には強い先輩がいっぱいいた。112期も強い選手ばかりだったので、自分を高めてくれました」 自転車競技で実力を有していた大久保でも、競輪学校での訓練は厳しかったという。 「毎日の練習がキツすぎて、学校時代は1回も日曜日の外出はしなかったんです。梅川風子、太田りゆ、吉村早耶香とよく追い込んで練習していました。だから週に1回だけの休みは休養にあてて、ゆっくりしていました」 大久保は112期の在校成績1位。卒業記念レースは1、1、1着で決勝進出するも、決勝は梅川風子の先行をまくることができず4着で終わった。 「在校1位はたまたまですよ。太田りゆさんと梅川風子さんの2人はHPD教場に呼ばれていたので、競走訓練の出走回数が少なかった。卒業記念レースは勝ちたかったけど、梅川さんが強かった」
注目集めたデビュー戦は決勝で失格
プロデビューは2017年7月松戸。在校1位のデビュー戦ということで注目を集めた。 「デビュー1走目は自分のレースをさせてもらえなかった。先輩たちのレースのうまさにびっくりしました。2走目でなんとか2着に入って決勝には乗れたけど…」 決勝戦は落車失格となり、ほろ苦いスタートとなってしまった。 「それもスタートしてすぐの1センターで(小林)莉子さんの後輪に接触して落車で、過失失格でした。(尾崎)睦さんが自分に乗り上げて落車してしまい、本当に申し訳なかった。体は大丈夫だったけど、気持ちは相当落ち込みました」 支えになってくれたのは同期だった。 「その日、同期の梅川さんが松戸まで迎えに来て、家に泊めてくれたんです。励ましてもらったおかげでメンタルは回復しました」