スーパーフォーミュラ社長、大阪F1誘致計画を歓迎「行政がモータースポーツに興味を持ってくれるのは、非常に嬉しいこと」
大阪で始まったF1の誘致計画。これについてスーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)の上野禎久社長は、「行政がモータースポーツに関心を持たれたことは、非常に嬉しい」と語った。 【動画】角田裕毅がドライブ! ビザ・キャッシュアップRBの新車VCARB01初走行 大阪観光局がF1を誘致することを正式に表明。同局の溝畑宏理事長はmotorsport.comの取材に対し、「公道でやると決めたわけではないが、それはAパターン。一方で新しい常設サーキットを作り、ビジネスを構築していくというパターンも想定している」と語った。そして常設サーキットを作るならば、「365日稼働してF1以外のレースも誘致する」とも語った。つまりスーパーフォーミュラやスーパーGTなど、日本国内カテゴリーのレース開催も視野に入ってくるということだろう。 大阪でレースができることとなれば、スーパーフォーミュラにとっては新たなチャンスに繋がる可能性もあるように見える。それについてJRPの上野社長は、「行政が興味を持ってくれることは非常に嬉しい」と語った。 「まず第一に、現時点では何もコンタクトを受けておりませんし、話も聞いていません。しかし、行政がモータースポーツに関心を持ってくれるということは、素直に嬉しいです」 そう上野社長は言う。 「モータースポーツを観光資源として評価していただいているというのは、実に嬉しいことです。何か一緒にやりたいとか、何か知見を貸して欲しいという声がかかれば、喜んで協力したいと思います」 「大阪でのF1開催実現の可能性は、あるのではないかと思います。難しいと言うだけではなく、やるか、それともやらないかだと思います。やるならしっかりやるしかないでしょうが、大阪観光局のトップの方がああ言ってくださるのは、嬉しかったですよ」
■F1を実際にご覧になった方に、評価されたのはありがたい
実は上野社長は、溝畑理事長と接点がある。上野社長はJRPでの業務を始める前には、鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎを運営するホンダ・モビリティランドに在籍していた人物である。 当時の上野氏は、F1日本GPをはじめモータースポーツを盛り上げるために奔走。当時F1に参戦していた小林可夢偉を、国土交通省や観光庁に繋いだのも上野氏だった。そしてその時観光庁長官を務めていたのが、溝畑氏である。 「溝畑さんは、以前観光庁の長官をやられていました。小林可夢偉選手がF1に乗っている時に観光庁に行きましたが、僕がお連れしたんです」 「溝畑理事長は、そういう新しいことに取り組むのに積極的な方なんです。当時よくお話ししましたよ」 当時の溝畑氏は、観光庁長官としてF1日本GPやフォーミュラ・ニッポン(現在のスーパーフォーミュラ)を視察。2012年に行なわれた鈴鹿サーキット50周年ファン感謝デーにも来場し、「ファンの皆さん、日頃から鈴鹿サーキットを育てていただきありがとうございます」と挨拶している。 上野社長は当時を振り返りつつ、「プレゼンターなどで、鈴鹿にもお越しいただきましたし、鈴鹿でのF1もご覧いただきました。ちゃんとF1を見た方がああいう発言をされているので、非常に嬉しいことだと思います」と語った。 大阪の中心街からアクセスしやすい場所にサーキットが出来、そこでレースができることとなれば、スーパーフォーミュラにとっても大きなメリットになるのではないか? そう尋ねると上野社長は「道中も楽しむ」ということを推進していきたいと語った。 「大阪がアクセスしやすいと言ってしまうと、他のサーキットがネガティブに映ってしまいます」 そう前置きした上で、上野社長は次のように続けた。 「モータースポーツは、非日常的な空間を提供することが大事だと思います。五感に直接訴えられるようなスポーツは、他にあまりないと思います。それが大阪のような都市部で出来るなら、すごいことだと思っています」 「しかし、アクセスが悪いということは、サーキットにとってのネガティブな部分ではないと思います。行く楽しさというのもありますからね。そこは、スポーツツーリズムという考え方を持って進めていきたいです。地域と連携し、そして着いた先で美味しいモノを食べたり、道中色々なことで楽しむことができるはずです」
田中健一
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