鬼木達監督、戦友・中村憲剛の観客2万人越え&多彩な引退試合に「人柄の良さがここまでのものにした」「後輩だけど尊敬できる選手」
14日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで『明治安田 presents 中村憲剛 引退試合』が開催された。 【ゴール動画】中村憲剛が引退試合でハットトリック! 川崎フロンターレ一筋18年で2020年に現役を退いたクラブのレジェンド・中村憲剛氏。同氏のラストマッチにはサッカー界や芸能界など選手100人以上が集結。観客も22,014人がホーム・等々力に足を運んだ中、彼ら彼女らの胸を熱くさせた一つが川崎Fの盟友たちで構成されたKAWASAKIフレンズマッチでの鬼木達氏との“ピッチでの共演”だった。 中村氏と鬼木氏は「先輩・後輩」、「選手・コーチ」、「選手・監督」という関係性で長く川崎Fで共に戦ってきた間柄。久々に選手としてプレーした鬼木氏は「昨日、今日と等々力のピッチに立てたので、やっぱ(心に)きますね。面白かったです。(中村)憲剛ともプレーできたし」と酸いも甘いも共にした戦友とのゲームを振り返った。 「やっぱり懐かしいです。よりなんか(プレーが)わかるなというのがわかりました。独特というか、なんかもう絶対来るんだろうなとか、そういうのはありましたね。なんか良かったです」 2万人を超えるファン・サポーター、川崎F、日本代表、なでしこジャパン、同氏と縁のある著名人など。大勢の人が中村氏の引退試合に駆けつけた。これには鬼木氏も「もう憲剛じゃないと今日のこの人の集まり方、もちろん規模とかそういうのは素晴らしいのはわかりますけど…。でもこういうのってやっぱり人じゃないですか。だから、それは改めて、憲剛の人柄の良さがここまでのものにしたんだな。簡単なことじゃないじゃないですか。こんなに大きく、尚且つこれだけの満員になる人を呼べて」と感服した。 そして、「もう一つやっぱり憲剛らしいなというか感動したのは…」と口を開いて挙げたのは、KAWASAKIフレンズとの一戦で設けたある2人への時間だった。同ゲームでは、10分に2016年にラミア航空2933便墜落事故に遭遇し、24歳の若さでこの世を去ったアルトゥール・マイア氏、18分には再発した脳腫瘍で2024年1月に38歳で逝去した横山知伸氏の両選手に偲び、プレーを中断させて選手達やファン・サポーターが拍手を送った。 「やっぱり亡くなった2人に対してのリスペクトというか、ちょっとこみ上げてくるものがこうやって喋っていてもちょっときちゃうぐらい。そういうのも含めて、憲剛だからできたことかなというのがあるので、参加させてもらって本当に良かったと思います」 中村氏とのエピソードで印象に残っているのは、やはり悲願のJ1リーグ初制覇を成し遂げた2017年。「結局2017年のあの優勝が頭に1番浮かびました。あの景色、光景というか、あれは忘れられないものですし。結局、憲剛の涙じゃないですか(笑)というぐらい、やっぱり思いは深いですね。自分も監督を長くやらせてもらいましたけども、あの時の景色っていうのは忘れられないかなと思います」と語る。 長い時間を共にし、バンディエラとして川崎Fをけん引し続けた中村氏を近くで見ていた鬼木氏は「やっぱり勝負事なので、勝てない時もずっとありますけども、それ以外の部分。フロンターレの価値とはなんだ? みたいなものを植え付けてくれた選手の1人というか、選手だと思います」。「後輩になりますけど、尊敬できる選手。改めて僕が説明する必要ないぐらい、今日のこの人たちを見ればわかるかなと思います」と同氏の人間性、築き上げてきたものに対して惜しみない称賛を送った。