食べることは生きること――EXILE TAKAHIROの生命力の源、故郷・長崎の祖父母や母、妻の味 #食の現在地
EXILEのみんな、食にこだわりが強すぎる
TAKAHIROを育てた食文化は今、我が子にも受け継がれようとしている。 「小さい頃は全然お肉を食べなかったのですが、今はすごい肉好きに成長して。以前まで焼き肉行こうって言いづらかったのですが、娘が食べるので最近は声を大にして『今日は焼き肉だ!』って、比較的、頻繁に行っています。将来有望ですよ(笑)」 まるで食を通じて歴史を紡いでいるようだ。そう告げると、「そうかもしれません」と、白い歯をのぞかせた。 「僕が節制中の時、母から『食べることは生きること』と言われました。本当にその通り、人生に一番直接ひもづくものは何かと言えば、食事なんですよね。それは『何を食べるか?』だけでなく、食べる時の“和”を大事にすることも含まれていると思っています。会話もそう、マナーもそう、食べることにまつわる全てが大事。簡単なことなんですけど忘れがち。その一言で初心に返れました」 大事な仲間の姿が、「食べることは生きること」という言葉の説得力をさらにもたらしている。 「NAOTOくん、(橘)ケンチくん、てっちゃん(EXILE TETSUYA)……うちは食にこだわりが強すぎるメンバーばかり。SHOKICHIに至っては、肉好きが高じて牛を育て始めましたしね。先日は久々にHIROさん、SHOKICHIとご飯に行ったのですが、二人が食べながら別の食についての話を始めたんです。『この目の前にあるやつの話でいいじゃん!』って思ったぐらい真剣で。(語っている時)本当に幸せそうなんです」 血となり肉となり骨となる、“生きること”の根源である食への強い情熱を持つ。だからこそTAKAHIRO、そしてEXILEのステージから途方もない生命力を感じるのだろう。それはこの先も食を楽しみ続ける限り、変わることはないはずだ。
そして、彼が食を通じて幸せを与えられ、自らも幸せを育んでいるからこそ、食生活に幸せを感じる人が年々減少傾向にある現代の食事情について、思うことがある。 「せわしない時代なので食べながら歩いている人、よく見かけますよね。それぞれ、いろんな都合はあると思いますが、食べる瞬間だけは、公園でも街中のベンチでもいいので座って少しでもゆっくりと食を味わってほしい、かみしめてほしい、楽しんでほしい。食べることって真剣になれば心も体も豊かになる、本当に大事なことなんです」