湖で水遊びをした犬が「藻」のせいで急死、米国、危険な兆候や症状を見極めるには
有毒アオコの発生は増えている?
研究によれば、気候変動による温暖化は、藍藻の増殖に大きな影響を与える可能性があるという。水温の低さで知られるタホ湖でも、平均水温は1968年から約1℃上昇していて、最も高かった2015年には11.8℃だった。湖沼は気候変動に特に敏感で、わずかな温度変化でも生態系に影響が及んでしまう。 「懸念の1つは、アオコが発生する時期が早まる可能性です。アオコが発生するおそれがある期間は、より長くなるでしょう」とスタンプ氏は言う。ただし、種類によっては気温が低いほど増殖しやすいものもあるので注意が必要だ。 環境保護局は、気候変動により有害藻類ブルームの発生が増えていると指摘している。気温の上昇と降水量の増加により、湖沼の環境は、無害な真核藻類よりも有害な藍藻に有利になっている。実験室での研究では、藍藻は好条件下では1~2日で倍増するのに対し、同様の条件下で多くの真核藻類が倍増するには2~4日かかることが示されている。 「気温上昇による海水面の上昇も、水の循環パターンに影響を及ぼして、藍藻が繁殖しやすい淀んだ水域を作り出す可能性があります」とスタンプ氏は言う。 環境条件の変化と不十分なモニタリングのせいで、ペットの飼い主は、かつては安全だった水遊びスポットを警戒する必要が出てきた。フェルトさんはTikTokに投稿した動画で、自分はタホ湖の水質問題について見たことも聞いたこともなく、湖は「美しく」澄んでいるように見えたと語った。 彼女はインスタグラムにも投稿し、「タホ湖はきれいで、透明で、水温の低い湖として知られています。このような湖ではアオコは発生しにくいはずですが、私たちの世界は変わりつつあるのです」と呼びかけている。
文=Fjolla Arifi/訳=三枝小夜子