ツールウオッチに明確な定義はないが、一般的には“特定のシーンや目的のため、道具としての機能性が追求された腕時計”という認識で相違ないだろう。“ダイバーズ”が主流だが、“フィールドウオッチ”や“パイロットウオッチ”も広義のツールウオッチと言えるだろう。

個性やステイタス性を主張するファッションアイテムのひとつして捉えらえることも多い腕時計だが、やはりその本分は時間を知る道具。そして、そのなかでも特定の目的を果たすための道具としていっそうの進化を遂げたのが“ツールウオッチ”である。 【編集部おすすめのツールウオッチ、4モデルをもっと見る】 ツールウオッチに明確な定義はないが、一般的には“特定のシーンや目的のため、道具としての機能性が追求された腕時計”という認識で相違ないだろう。具体的にはスポーツウオッチの人気ジャンルとして確立している“ダイバーズ”が一般的にも知られるツールウオッチの主流と言えるのだが、“フィールド”や“パイロット”なども広義のツールウオッチと言えるだろう。

明確な定義もなく、現在は多様なジャンルに細分化されているツールウオッチ。そのため世界初をはっきり示すことは難しいが、そのルーツは間違いなくミリタリーウオッチにある。特に、腕時計の黎明期とも重なる第1次世界大戦期は腕時計の有用性が広く認められ、その後、いっそうの技術開発が促された大きな契機となった。

陸上が主戦場だった第1次大戦では、とりわけ一瞬で時刻が判読できる優れた視認性、雨天や塹壕内といった環境にも耐えうる耐久性や気密性が求められ、腕時計にフィードバックされていったのである。今日ツールウオッチと呼ばれるものの多くは、こうしたルーツもあって、正確に情報を読み取ることができる“視認性”や、ラフな使用に耐える“高耐久”などの共通点を見出せる。道具としての機能性を追求した意匠や重厚なバックボーン、そして道具としての絶対的な信頼感は大きな魅力だ。この特集では、ツールウオッチの代表格とも言える“フィールド”と“ダイバー”の二つをクローズアップし、狙い目モデルを紹介していこう。

【フィールド系の狙い目ツールウオッチ】

ツールウオッチでは、正確な情報を一瞬で読み取れることも重要なポイントとなる。そのため針やインデックスは、ドレスウオッチなどに比べて大きく、時・分・秒針の区別が付きやすいように形状が異なっていることが多い。

防水性ではダイバーズウオッチに及ばないものの、温度変化や落下など様々なリスクがあるフィールドワークを想定し、高い基礎体力を備えるフィールドウオッチ。一方で登山用にはコンパス機能をもたせるなど、使用する環境や目的によっても搭載する機能が異なり、デザインも比較的多様な点も魅力だ。