【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第6ステージ】ベン・オコーナーが単独逃げ切り成功で全グランツール制覇 個人総合争いでも首位に立つ「今日のレースすべてが楽しかった!」
フィニッシュまで70kmを残す段階で、先頭13人とメイン集団とのタイム差は5分。レッドブル・ボーラ・ハンスグローエが集団先頭でメンバーを固めるが、追走を急ぐ雰囲気ではない。もっとも、フロリアン・リポヴィッツを逃げに送り込んでいて、バーチャルリーダーにもなっている。チームとしては、無理にレースをコントロールする必要性がなくなっていた。代わって集団を牽き始めたバーレーン・ヴィクトリアスは、アントニオ・ティベーリのヤングライダー賞を守るべく局面打開を急ぐ。
快調に飛ばす先頭グループでは、119.5km地点に設けられた中間スプリントポイントをオコーナーが1位通過。いったんグループに戻ると、再びペースアップ。追随したハイス・レイムライゼ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)とともに抜け出すことに成功した。2人逃げを整える一方で、他のメンバーは追走態勢に入るまでに時間を要してしまう。3選手が前の2人を追いかけたものの、数十秒差まで迫ったところで追走ムードは停滞。残り30kmを切ってオコーナーがレイムライゼを引き離すと、いよいよ独走状態へと持ち込んだ。
「アグレッシブなレースで、常に攻め続けているような感じだった。レイムライゼが遅れたのを見た瞬間にステージ優勝できると確信したよ。集団とのタイム差が広がっていると聞いたから、最後の上りでは総合タイムをどこまで稼げるかを考えながら走った。とにかく全力で上ることだけに集中したよ」(オコーナー)
その言葉通り、フィニッシュ地ユンケラへと向かう3級山岳の上りでも、オコーナーはメイン集団とのタイム差を広げ続けた。その間に控えていた追走メンバーへのリードも十二分に確保できている。フィニッシュ前50mでようやくウイニングセレブレーションを披露して、全グランツール勝利の瞬間を味わった。
「個人的な目標はステージ優勝だった。大会に入る前に、すべてのグランツールで勝った選手のリストに目を通していたんだ。すごい選手ばかりだよね。そこに僕の名前が記されるのはとても誇らしいよ」(オコーナー) 逃げ残った選手が8位までを占めて、その後ようやくメイン集団がフィニッシュにやってきた。終わってみれば、オコーナーとの差が6分31秒もついていた。マイヨ・ロホはもちろん、オコーナーのもとへ。個人総合2位に下がったログリッチとの総合タイム差は4分51秒。ステージ優勝目標だったとはいえ、ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスで個人総合4位を経験しているグランツールレーサーである。思いがけず……であるとはいえ、オコーナーにとっては有利な状況になっている。
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