iPhone6の対応で再び注目を集めたVoLTE、気になる疑問を解説
疑問その5:VoLTEになってユーザーにメリットはあるの?
VoLTEのメリットは、「繋がるスピードが向上」と、「音声品質がアップ」という点は、冒頭にご紹介しました。加えて、VoLTEでは同じLTE回線を使って音声通話と高速データ通信が同時に使用できるという利点もあり、各社ではこの機能を活かした独自のサービスを展開しています。例えば、ドコモのVoLTEでは、自社の通話アプリに「ビデオコール」という機能を追加。通話定額プラン、データ通信定額プランに加入していれば、追加費用なしで利用できます。一方、KDDIの「au VoLTE」では、アプリを操作しているときに着信した際に画面上にお知らせが表示され、スピーカーやイヤホンマイクを使ってアプリを操作している状態で通話をすることができたり、自分のスマホ画面を通話の相手と共有しながら通話することができたりする「シンクコール」を提供しています。 ※ビデオコール、シンクコールともにiPhone6とiPhone6 Plusは非対応
そして、将来的にもうひとつ期待したい点は、VoLTEの普及に併せてLTE回線のインフラ増強が一層進むことによる、通信品質(LTEの繋がりやすさや通信速度)の向上です。LTE回線のみ使用するVoLTEが普及すると、これまで音声通話に使用されてきた3G回線はユーザーの利用が減少することで、どんどん空いていきます。その空いた3G回線をLTE回線に切り替えていけば、スマートフォンの普及で爆発的にデータ通信量が増加しているLTE回線のキャパシティを大きくすることが期待できます。 この点について、ドコモの広報部に意見を聞いてみたところ、「(3G回線からLTE回線への切り替えは)最終的にはそうしていきたいが、フィーチャーフォンなどで3G回線をお使いのユーザーも多いので、すぐにできるものではないと考えている。VoLTEでも3Gを必要とするシーンはまだ多く、LTEと3Gの併用は通信品質の厚みを持たせる上でも意味があるもの。今後のユーザーの動向を見ながら検討していきたい」とコメントしています。 (執筆:井口 裕右/オフィス ライトフォーワン)