iPhone6の対応で再び注目を集めたVoLTE、気になる疑問を解説
NTT、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社が販売しているiPhone6/iPhone6 Plusが一斉に対応を開始したことで、再び注目を集めることになった「VoLTE(ボルテ)」という言葉。データ通信の電波を使って高品質な音声通話ができる次世代の音声通話テクノロジーであることをご存じの方も多いと思いますが、実際のところ詳しい使い方までご存じの方は少ないのではないでしょうか?そこで今回は、このVoLTEについての色々な疑問について解説します。
まずは、VoLTEの基本情報をおさらいしよう
VoLTEとは「Voice over LTE」の略で、データ通信回線を使って提供される新しい音声通話テクノロジーです。従来のスマートフォンでは、データ通信には主にLTE回線を使い、音声通話は3G回線を使うという形で電波の使い分けがされてきましたが、VoLTEに対応したスマートフォンでは、データ通信用のLTE回線を使ってネットも電話も両方行うという形になります。 これによるメリットは大きく分けて2つ。「音声通話の繋がるスピードが向上すること」と、「音声の品質がアップすること」です。LTEと3Gを使い分ける従来のスマートフォンでは、音声通話を始めるとき=通話ボタンを押したときに、LTEから3Gに繋がる回線を都度切り替えるために、繋がるまでにタイムラグが生じていました。通話ボタンを押しても、「プルルル・・」という呼び出し音が鳴るまで長い間待たされた経験がある人は多いのではないでしょうか。その待ち時間が圧倒的に短縮されます。加えて、VoLTEでは3G回線と比較して通信回線が使用する音声周波数が広いため、よりクリアな通話が可能になるというメリットもあります。
ちなみに、通話サービス自体の内容は、従来の音声通話と大きく変わりません。LINEやカカオトークなどの無料通話アプリと違い119番や110番などの緊急通話も利用できます。また、同じLTE回線の中にデータ通信と音声通話が同居したとしても、音声通話のために優先的に利用する電波帯域が用意されているため、通話が途中で途切れたり聞こえにくくなったりすることがないように配慮されています。 なお、VoLTEを利用するためには、スマートフォンがVoLTEに対応している必要があり、対応端末はキャリア各社がウェブサイトなどで公開しています。記事執筆時点の対応端末は、各社のiPhone6とiPhone6 Plus。Android端末については、ドコモは2014年夏モデル以降、KDDIは2014年冬モデル以降、ソフトバンクはAQUOS CRYSTAL Xのみです。