「シミだらけ、毛玉だらけ、穴あき衣類」「処分に費用のかかる大型おもちゃ」などなど。正直モヤっとなおさがり問題
不要なこと、イヤなことに「NO!」と言える自分になる一歩に
おさがりはありがたいけれど、悪い状態の物はいらない…そんな時の対処法やもらってもイラッとせずにすむ気の持ちようなどについて、多くの親たちの相談にのってきた鳥居りんこさんにアドバイスをいただきました。 「この『おさがり問題』もなかなか、奥深いですよね。 ベビーグッズも結構なお値段がしますから、いただけるのであれば、もちろんありがたい。 でも、モヤっとイラっとなる気持ちもわかります。新品のプレゼントですら『趣味じゃない』『使わない』ということがありますから、おさがりともなると、その比率はどうしても高くなっちゃうのは無理からぬことだと思います。 差し上げる側は100%善意(捨てるには忍びないので、もし使ってもらえるならば…という気持ち)でやっていることなので、受け取る側からすると、その善意を『蔑ろにしないでね!』というような奇妙な“圧”がかかっちゃうんだと思うんですよ。 それで、本当はいらないのに『使ってないことがバレたら嫌だな』とか『捨てたって言えない』になってしまう。 当然、部屋の貴重なスペースを取られるのでモヤモヤ指数は上がります。 でもね。育児って、ただでさえメンタル削られることが多いんですから、おさがり問題についても先手必勝です! イマドキは、お下がりの場合『いる? 』と予め聞かれることが多いと思うんですね。 その時に気持ちが上がらなければ、『ありがとう!でも、〇〇からもらうから、お気持ちだけいただく!』とでも言って断ればいいんです。 余計な悩みを増やさないためにも水際作戦発動ですよ! けれども、健闘虚しく、結果的に押しつけられちゃった場合は、こう考えましょう。 物には所有権がありますよね。その物が我が家に来たのならば、借り物でない限りは所有権は自分に移ると。使う・使わないは自分の判断です。必要ならば、ありがたく使わせてもらえばいいし、必要でないならば、これまたありがたく処分する。この行動に罪悪感を持つ必要はないんですね。 そういえば、思い出しました!ワタクシは親戚一同から見ても一番末の子、友人・知人たちから見ても、子育ての後輩というポジションだったために、我が子の子育て中は『おさがり』の大豊作でした。大変、わがままではありますが、正直に言えば、助かったもの、邪魔に思えたもの、様々でした。これは30年くらい昔の話なので『いる? 』と聞かれることなく、増えていった記憶があります。それで、どうしたかと申しますと、『使う』『売る』『捨てる』の3択を駆使。収納には限りがあるので、苦渋の選択です。 私の場合、おさがりを利用しているのがわかると、くださった方から『使ってくれて嬉しい』というような反応をいただき、会話がハッピーになった思い出はありますが、『あの服、着てないみたいだけど気に入らなかった? 』と言われた記憶は皆無。 『物のその後』が気になる人はいるのかもしれませんが、面と向かって『処分したなんて許せない!』と言ってくる人はレアケースだと思うので、そのあたりは安心して割り切っていいと思います。 今は昔と違って、不用品を処分するにも手間暇がかかるので、その労力がめんどうに感じるのだと思うのですが、くれた相手も『あなたに良かれ』と思っての行為。『ヨシ!次回からは水際作戦で、NO!を言える私になる!』のキッカケにすれば、いろんな面で今後の人生もきっと楽に生きられますよ。お試しあれ!」(鳥居りんこさん) 私はおさがりグッズにはかなり助けられましたが、タイミングや内容によって大きな差が出そうですね。「いる・いらないを決める主導権は自分」という気持ちでモヤモヤを解消していけるといいですね。 (取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
鳥居りんこさん
PROFILE) 作家、介護・家族アドバイザー。2003年、学研より『偏差値30からの中学受験合格記』 でデビュー。実体験に基づいた『中学受験シリーズ』が人気。近著に『増補改訂版 親の 介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(双葉社)『女はいつもどっかが痛い がんばら なくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(小学館)など。執筆・講演活動などを通 じて、子育てや受験、就活、介護に悩む母たちを応援している。 ※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。 ※記事の内容は2024年7月の情報であり、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部