近鉄「新スナックカー」がラストラン 三重・賢島でも見送り
近鉄「新スナックカー」がラストラン 三重・賢島でも見送り
車内に軽食できるスナックコーナーがあったことから「新スナックカー」の愛称で親しまれた近鉄特急12200系車両が20日、運行を終了した。三重県志摩市の賢島駅ではこの日、同駅と名古屋駅間を往復する「ラストラン」に合わせて式典や見送りが行われ、多くの鉄道ファンが最後の勇姿となるオレンジ色の車体との別れを惜しんだ。 近鉄特急「新スナックカー」がラストラン 賢島駅で式典(2021年11月20日)
8月予定の引退がコロナの影響で延期
12200系は1969年から8年間にわたって168両を製造。初期の車両には、「スナックカー」と呼ばれた先代の12000系よりも広いスナックコーナーがあった。その後、スナックコーナーは客席拡大のためになくなったが、個性的なスタイルの車両は「新スナックカー」と呼ばれ続け、名古屋と三重、大阪を結ぶ車両として活躍した。 しかし、近鉄の特急車両は50年の使用を前提としており、昨年に新型車両「ひのとり」80000系が導入されたため、12200系の引退が決まった。ラストランは当初、今年8月に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、この日に延期されていた。
詰め掛けた鉄道ファンや関係者が別れ惜しむ
賢島駅には朝から全国の鉄道ファンが訪れ、入線する車両を写真に収めたり、記念グッズを買い求めたりしていた。正午前後に行われた式典では、鳥羽駅の片岡賢二駅長が車両の整備や保線に携わってきた関係者の労をねぎらった上で、「このオレンジ色と紺色の通称『スナックカー』をご愛顧いただいているお客様に多大なる感謝の意を表します」とあいさつ。運転士や車掌に花束が渡され、取り囲んだ鉄道ファンから大きな拍手が湧いた。 出発時刻になると、一層大きな拍手やカメラのシャッター音がホームに反響。ファンや関係者は、名古屋に向けて出発した車両が線路の先に消えるまで見送った。 (関口威人/nameken)