近鉄特急12200系車両「新スナックカー」ラストラン 大阪上本町駅でファン見送り
52年におよぶ現役生活を終える
近鉄の特急車両として長年活躍してきた12200系の最終運行日となる20日、ラストラン乗車ツアーの出発式が近鉄の大阪上本町駅で行われた。同駅ホームにはマスク姿の鉄道ファンらが多数つめかけ、52年におよぶ現役生活を終える12200系との別れを惜しんだ。 【映像】近鉄特急「新スナックカー」がラストラン 賢島駅で式典(2021年11月20日)
1969年登場・製造車両は歴代特急で最多の168両
12200系車両は1969(昭和44)年に登場した。愛称は「新スナックカー」。 当初は1967(昭和42)年に登場した12000系と同じくビュッフェ営業のための調理コーナー(スナックコーナー)が設けられていたのがその名の由来。スナックコーナーはその後、客席などに改造された。 製造車両数は、近鉄の歴代特急車両の中でも最多の168両。昭和の高度経済成長期から平成、令和の時代にかけて、大阪や名古屋などを結ぶ特急列車として走り続けた。
別れを惜しむファン「52年間本当にお疲れさまでした」
20日午前11時33分、大阪上本町駅の9番ホームにラストラン列車が入線。担当の運転士と車掌への花束贈呈や写真撮影が行われた後、午前11時53分にラストラン列車はホームから発車すると、12200系との別れを惜しむ鉄道ファンたちから拍手が送られた。 「小学校3年生か4年生のころから鉄道ファン」と言う大阪府吹田市の男性会社員(21)は、かつて乗車した12200系について「シートの座り心地がやっぱりよかった」と振り返り、「52年間、本当にお疲れさまでした」と長年の活躍をたたえていた。
関係者「ありがとうと言いたい」
同社運輸部の猪狩一典営業課長(52)によると、12200系は2021年2月12日に定期運用から引退。 当初はゴールデンウィークでのラストランツアー開催を構想していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いこの日まで延期していた。 猪狩課長は「12200系は52年前の運行開始から、近鉄の顔として長い間がんばってくれた。ありがとうと言いたい」と話していた。
車両の一部は団体専用列車や観光特急に活用
同社によると、12200系車両はこの後廃車となるが、一部は団体専用列車や観光特急に活用される予定。 (取材・文:具志堅浩二)