親の『中学受験は大変だから小学校受験』というマインドの正体【外山薫さんインタビュー】|VERY
仕事も育児も手を抜けない現代のママたちへ
――勝手ながら、未就学児のママが中心で教育への関心が高いVERY読者と、外山さんの読者には親和性があるのでは?と思っています。 大学時代の女友だちからは、シンマイさん(2024年3月号まで表紙モデルを務めた申真衣さん)の名前をよく聞きます。「シンマイさんのエッセンスだけでも真似したい!」と。憧れの存在のようです。 今の30~40代は子どもの教育にも熱心なうえ、仕事や家事に対する責任感が強い人が多いですよね。男性が育児参加するようになったとはいえ、まだまだ女性に負担が偏っていると感じます。今作にはそうしたジェンダー的な観点も盛り込んだつもりです。小学校受験の世界を追体験する一冊としても、また茜を通して今の自分を見つめる一冊としても、ぜひ手に取ってもらえるとうれしいです。 <Profile 外山 薫さん> 1985年生まれ。慶應義塾大学卒業。2023年に『息が詰まるようなこの場所で』で作家デビュー。現在も会社員として勤務するかたわら、執筆活動を続けている。
『君の背中に見た夢は』 外山薫・著、KADOKAWA、1,760円 テレビ局で働く夫を持ち、自身も大手化粧品メーカーで働く主人公の茜は、ある出来事をきっかけに小学校受験に興味を持つように。5歳の娘・結衣を幼児教室に入れたものの、仕事と家庭の両立、非協力的な夫、かさむ教育費に悩み、葛藤する。それでも前に進む茜を待ち受けるものとは? 撮影/花盛友里 取材・文/樋口可奈子 編集/羽城麻子 *VERY2024年5月号「中学受験は大変だから小学校受験というマインドの正体」より。