季節の変わり目の体調不良には意外な要因が春のだるさ、眠さを一発解消する「非常識な食習慣」とは?
前述したように、腸が疲弊して腸内環境が悪化すると、免疫力が低下して風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなる、アレルギーがひどくなる、がんが発生する、肌の不調を引き起こし、体臭もきつくなる、など、健康と美容に大きく影響します。 体内の免疫細胞や抗体の6割以上が、腸に存在しているといわれています。免疫細胞とは、外部から入ってきた異物(ウイルスや毒素など)や発生したがん細胞などを排除するもの。空腹によって免疫力を上げれば、いつまでも元気で若々しい体をキープしていけるのです。
せっかく美容のためにサプリメントなどでビタミンやミネラルなどを摂っても、胃腸が疲れていては、消化機能が正常に働かず、体に十分吸収されません。 また、消化しきれなかった食べものは、腸内で腐敗してアンモニアなどの有害物質を発生させ、血流に乗って全身にまわります。これも肌荒れやニキビの原因になります。体臭がきつくなるのも、この有害物質のせいです。 胃腸の疲れがとれて消化機能が正常になると、食べものからきちんと栄養分を摂ることができるため、肌や髪にも必要なビタミンやミネラル、微量元素もしっかり補えるようになります。肌荒れも体臭も気にならなくなってくるでしょう。
■せっかくのダイエットも「むくみ」で台無しに 腎臓が働きすぎて機能が低下すると、体に必要なタンパク質やミネラルまで排出されてしまったり、体内や血液内に老廃物がたまって血流が悪くなったりします。 血流が悪くなると、体が活動するのに必要な酸素や栄養素が全身にいきわたらなくなります。これが、肌荒れ、シワ、シミ、そして「むくみ」の原因になります。ほかのダイエット法でせっかく体重を落としたのに、なぜか見た目がスッキリしないというひとは、体がむくんでいるのかもしれません。
こんなときは、ぜひ「16時間断食」を実践してみてください。空腹の時間を作ることで、腎臓も休ませましょう。 腎臓の疲れがとれて元気を回復すると、新陳代謝がよくなり、老廃物の排出がスムーズになります。これだけでも、むくみがかなり軽減されるはずです。 「16時間断食」は、文字どおり、16時間の空腹の時間を作るだけ。カロリー計算も糖質制限も必要ありません。空腹の時間以外は、何を食べてもかまいません。 オートファジーの仕組みを活かすためには、16時間以上の空腹の時間が必要ですが、睡眠時間を上手に組み込むことでムリなく行えると思います。
毎日やるのが大変そうなら、まずは週末だけでも実行してみてください。それでも十分に細胞レベルでのリセット効果を実感していただけると思います。
青木 厚 :医師