季節の変わり目の体調不良には意外な要因が春のだるさ、眠さを一発解消する「非常識な食習慣」とは?
肝臓は、腎臓とともに「沈黙の臓器」と呼ばれ、ふだん、その存在が意識されることはほとんどありません。それなのに、肝臓は非常に働き者です。 肝臓は、さまざまな役割を一手に担っています。食後、体に入ってきた栄養を、体内で必要なエネルギーに変えたり、余分なエネルギーを蓄えたり、食べものに含まれていたアルコールやアンモニアなどの毒素を処理したり、脂肪の消化吸収を助ける胆汁を作ったりしています。 そのため、食事と食事の間隔が短く、次から次へと食べものが入ってくると、肝臓はフル回転で働かなければならず、どんどん疲弊していきます。
肝臓が疲れて機能が衰えると、本来肝臓で解毒されるはずの毒素や老廃物が体内に残ったり、作られるエネルギーの量が減ったりするため、体が疲れやすくなります。もちろん、肝炎や脂肪肝、肝硬変、肝臓がんなどの病気や障害になる恐れも出てきます。 このように、1日3食の食生活によって、胃腸や肝臓はどんどん疲れていきます。内臓をしっかり休ませるために「空腹の時間(ものを食べない時間)」を作りましょう。 内分泌代謝や糖尿病を専門とする医師として私がおすすめしているのは「16時間断食」です。
■健康だけでなく、美容にも効果のある「16時間断食」 最後にものを食べてから10~12時間ほど経つと、肝臓や血液中のブドウ糖がなくなり、脂肪細胞中の中性脂肪が分解されてエネルギー源として使われるようになります。16時間が経過し、細胞が飢餓状態になると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが活発に働き始めます。 オートファジーとは、細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられること。古くなったり壊れたりした細胞が内側から新しく生まれ変わります。
16時間の空腹の時間を作るだけで、疲れた体をリセットする効果が期待できるのです。 ・内臓の疲れがとれて、内臓機能が高まり、免疫力もアップ。 ・血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促され、血管障害が改善。 ・脂肪が分解され、肥満が引き起こすさまざまな問題が改善。 ・細胞が生まれ変わり、体の不調の改善や老化の進行を食い止める。 「16時間断食」は、健康のみならず美容やアンチエイジングにも効果があります。食べすぎで疲れた内臓が16時間の休息でリセットされる。その恩恵は、まずは便秘や下痢の改善など、「腸で実感」できるはずです。