初『ブラジル俳句選集』(仮)を後世に 流派越えて有志集まり準備会合
流派を超えた秀句を集めた初めての『ブラジル俳句選集』を後世に残そう――そんな共通した想いを抱えた俳人ら10人が11日、第1回の編纂準備会合を行った。出版意義や編纂主旨の確認から始まり、実現の筋道や、どう推薦句を集めて選考するかなどに関して、4時間余りにわたる熱気のこもった話し合いとなった。 当日は、太田映子さん、児玉和代さん、西谷律子さん、小斎棹子さん、吉田しのぶさん、広瀬芳山さん、大野一歩(いっぽ)さん、久保一光(いっこう)さん、宮川信之さんら俳人が出席した。 出版の目的は「主にブラジル移民・移住者にとって感銘を受ける秀句を選び、後世、及び日本の読者にも共感されうる俳句選集を出版する。系統・流派の隔てなく選句、時代区分ごとに編集し、必要に応じて背景・語句などの解説も併記する。ブラジルで俳句活動が始まってから100年を越えようとしている今年に、このような選集を編纂するのは逃す事の出来ない機会であり、大きな意義があると考える」というもの。
かつては系統・流派にとらわれている部分があったが、今はそれが弱まった。そうした状況だからこそ、俳句界全体を俯瞰した句集を作る。 構成としては、おおよそ「瓢骨、圭石などの移民初期を含めた戦前」「1970年代末まで」「それ以後現代まで」の3区分。ただしブラジル以外に在住の俳人の句でも、ブラジルに関わった人、ブラジルの句会に参加している人の俳句なら選句対象とする。また、花鳥諷詠(有季俳句)とそれ以外(現代俳句、無季、自由律)を含める。日本で出版する可能性もあり、ブラジル移民の知識がない読者を想定して言葉や背景の説明を加える。 現行のメンバーは準備委員会とし、次回会合で正式な編纂委員会を設立する。この編纂委員会が、選出・募集された候補句の中から最終的に選句する。この事業の主体は編纂委員会とする。より広範な選句をするために伊那宏さんへ委員会参加を依頼する。 次回会合は7月27日(土)午前9時半より、ブラジル日報会議室にて行う。