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日経平均株価は、年初来高値4万2426円(7月11日)から年初来安値3万1156円(8月5日)まで急落した値幅の半分を回復した。急落後の「半値戻し」を牽引したのは、為替動向に左右されにくい経営体質を持つ企業や、自社株買いの方針を打ち出している企業が目立つ。株式市場のボラティリティ(変動率)が高まる局面では、投資家は安定的な株主還元に注目する傾向がある。 【マンガ】3500万の住宅ローン組んだ「年収700万夫婦」が「地獄を見た」ワケ 急落後に一定のリバウンド(反動による戻り)を達成した後は、安定的なインカムゲイン(定期的な収入)を求める傾向がある。ただし、配当利回りが高い銘柄だからといっても、必ずしも投資対象として魅力的だとは言い切れない点に注意が必要だ。 業績悪化による株価下落や減配リスク(配当額が減少するリスク)を考慮する必要があるため、経営の安定性や株主還元の実績がより重要視されるだろう。特に、国内金利が上昇しやすい環境下では、業績と配当の両方を伸ばす企業が注目度を高めていきそうだ。

積水ハウス(1928)

■株価(8月16日時点終値)3548円 25.1期の経常利益は前年同期比1.8％増益の2730億円を見込み、4期連続の過去最高益を目指す。利益全体の30％弱を米国事業で占める同社にとって、今後は米国住宅市場の回復が追い風となる期待があろう。 会社側は32.1期に米戸建住宅の年間供給戸数を2万戸(23年度は4,444戸)まで引き上げる計画だ。米利下げ開始や米住宅市場の本格回復には、もう暫く時間を要する可能性はあるものの、4月にMDC社を完全子会社化したシナジー効果は大きい。MDC社は25.12期に引渡戸数計画1万戸程度を見込む米大手住宅会社だ。米国市場における知名度向上、スケールメリット、展開エリアの拡大などが期待できよう。 積水ハウス株は業績の安定感や配当利回りの高さなどから、株式市場の不透明感が高まる局面で相対的に良好なパフォーマンスを示す傾向がある。今後は米国金利の低下傾向が定まるにつれて、長期保有での投資妙味が高まりそうだ。