日本株、急落からの「半値戻し」の局面で大注目の「プロ厳選・好業績＆高配当銘柄5選」を実名紹介
日本駐車場開発(2353)
■株価(8月16日時点終値)203円 主力の駐車場事業は、新規契約物件が安定的に伸びている。さらに、インバウンド需要の増加に伴い、高級ホテル向けのバレーサービス(駐車場の入出庫を代行するサービス)や子会社のスキー場事業も急成長中だ。 月極駐車場検索ポータル「日本駐車場検索」は、掲載物件数が10万件を超える国内最大級の規模を誇る。膨大な問い合わせデータから顧客ニーズをもとに効率的に新規物件の受託提案が行えるほか、申込から契約に至るまでの過程においても、契約スピードの改善と生産性を向上させている。 天候や感染症による悪影響が事業リスクとして意識されやすいが、コロナ禍でも黒字を維持し、増配を継続させている点はディフェンシブ性(守りの強さ)を示していよう。ちなみに24.7期は14期連続で増配を実施する予定だ。会社側は安定的な利益だけでなく、海外駐車場事業の成長による成長を加速させる方針も打ち出している。
塩野義製薬(4507)
■株価(8月16日時点終値)6534円 感染症領域の研究開発に強みを持ち、特に自社創薬(自社で新薬を開発すること)においては圧倒的な強みを持つ。一般的な製薬会社の自社創薬比率が20~30％であるのに対し、塩野義製薬は71％(21年3月末)と突出した高さを示している。 ここ数年でも抗HIV薬「ドルテグラビル」、抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」、抗COVID-19薬「ゾコーバ」など、革新的な医薬品を効率的に生み出すなど、5つの自社創薬品を上市させた。26.3期を最終年度とする中期経営計画では、3年間で3000億円規模の研究開発投資を予定しており、これにより新たな革新的医薬品の開発が期待できそうだ。 自社創薬比率の高さや導出戦略の巧みさは、同社の競争力をさらに高め、安定した業績向上や株主還元を支える源泉となる期待は大きい。一方、株主資本配当率(DOE)4％以上を基準に14期連続の増配を基本方針に掲げるほか、機動的な自己株式取得を実施する方針も打ち出している。 米国市場では、ここにきて株価変動が比較的小さく、ディフェンシブ性(景気の影響を受けにくい特性)の高い銘柄が注目されつつある。引き続き株主還元の強化が重要なテーマとなりそうな日本市場においても、波乱相場のリスクを抑えつつ、着実なリターンを狙える安定配当型銘柄への関心が高まっていきそうだ。
宇野沢 茂樹(証券アナリスト)
