家族内ワンオーナーで乗り続けるケンメリ【前編】亡き父親そのもの。息子の受け継いだケンメリGT-X|1973年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X
【ハコスカとケンメリ|1973年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X 前編】 【画像9枚】ケンメリの造形やプレスラインは複雑に構成されている。これはケンメリの魅力である一方、水がボディ内部に浸入しやすくもなっているという 歴代スカイラインのなかで最大の販売台数を誇ったモデルといえば、ケンメリことC110系。累計で66万台もの大ベストセラーを記録している。 スカイラインはどのモデルでも発売時に話題となっていたことは間違いないが、ことケンメリに関しては広告戦略がそれまでのレーシーで硬派なイメージから、若いカップルが全国を旅するロマンチックなストーリーを展開させていた。 当時のデートといえばドライブが注目されており、国鉄が展開していた、旅に出ようというディスカバージャパンのプロモーションなども影響して、1970年代は若い世代にもマイカーブームの波が押し寄せていたのだ。 そんななかで、20歳代の若き夫婦がスカイラインを新車で購入するというのは、ごくごく普通の出来事だったはず。 それがここで取り上げるオーナーのケンメリなのだ。すでに現時点で新車登録から47年の歳月が経過しており、オーナー親子にとっては何にも代えがたいクルマとなっている。 現オーナーの3年前に亡くなった父親が購入したもので、多くの思い出とともに今日に至っている。オーナーの母親にとっても、亡き夫そのものということで、手放すことなく永遠に残しておきたい記念碑的な個体だという。
ワンオーナーの屋根付き車庫保管だったといっても、やはり経年劣化は免れてはいない
さて、この個体の見た目だが、ワンオーナーの屋根付き車庫保管だったといっても、やはり経年劣化は免れてはいない。 長く乗っていなかったこともあり、グッドコンディションとはいいがたい状態なのだ。 ただし、補修部分はあるもののオリジナル塗装のままなので、プレスラインや細かな造形がスポイルされることなく、ヤレ感はあるが素人目には美しい状態を保っているように感じるのだ。また、 機関部も普通に走ることができる状態であり、グサグサというイメージでもない。 しかしプロの見立てだと、ボディのサビの進行やシャシーも相当なダメージを受けているという。 そして機関部も完調というわけではなく、エンジンを開けてオーバーホールする必要がある状態だった。 実際、この個体のレストアを依頼された滋賀県のピットハウスでは、ボディ内部のサビの進行はかなりのもので、オール剥離して錆びている部分の板金補修と再塗装をする必要があるとのこと。 フロアや下回りには穴があり、フェンダーパネルにCピラー、ドアもサビの進行は見逃せないというわけなのだ。 一方でインテリアは使用感はあるものの、状態もよく、完全なノーマル状態をキープしている。 操作系もしっかり可動する状態で、乗ると家族で旅行した時の感覚がよみがえってくるという。
Nosweb 編集部
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