毎年、年末調整で1万円ほど「還付」されるのに、今年は2000円「徴収」された!「賞与」が関係しているってどういうこと? 還付・徴収される理由をそれぞれ解説
年末調整で所得税が還付されると、得をした気分になる人は多いでしょう。「払いすぎた所得税が戻ってきただけ」と分かっていても、何だか特別な臨時収入のようで「1年間頑張ったごほうび」の資金に使っているという人もいるのではないでしょうか。しかし時折、年末調整で所得税が追加徴収されることがあります。 本記事では、年末調整で所得税が追加徴収されるケースについて説明します。
年末調整で「還付」「徴収」をされる理由
会社員は、毎月の給与や賞与から所得税が源泉徴収されますが、その税額はあくまでも概算です。そのため年末調整で1年間の給与所得が出そろってから正確な所得税を計算し、徴収しすぎた分を本人に還付したり、逆に不足分を追加徴収したりします。 ■年末調整は天引きされた所得税の精算 毎月の給与から控除される所得税は「給与所得の源泉徴収税額表」から算出します。月の給与額から社会保険料を差し引いた額と扶養人数をもとに、この表を参照して、源泉所得税が決まります。 しかし、この源泉徴収税額は、その給与額が1年間変わらずに続くと仮定したざっくりしたものです。人によっては、毎月の給与が大きく変動することもあるため、あくまでも仮の額です。 ■年末調整で「還付」になるケース 会社員の人は、毎年11~12月頃に年末調整の申告書を会社に提出していると思います。このとき生命保険や個人年金保険料などの控除証明書も添付するでしょう。このような民間保険の保険料などは所得から控除されますが、制度上、毎月の源泉徴収税額表には反映されていません。 そのため、年末調整で各自の保険料などを控除した結果、所得税が抑えられ、払いすぎた所得税が還付されるのです。年末調整で所得税が還付されるのは、次のような場合です。 ●生命保険料、個人年金保険料、地震保険料などを支払った ●配偶者の離職などの理由で、年の途中から配偶者控除の対象となった ●住宅借入金等特別控除(税額控除)があった など ■年末調整で「徴収」になるケース 年末調整では還付されることが多いのですが、逆に徴収されるケースもあります。それは次のような場合です。 ●扶養親族の就職などにより、年の途中で扶養人数が減少した ●転職や給与の大幅な増加などにより、年の途中から給与収入が増えた ●会社の業績が良かったなどの理由で、多額の賞与が支給された など