来季の日本勢には世界で大暴れしてほしい。特に女子は1年目から優勝を狙えるメンバーが揃っている(羽川豊)
【羽川豊の視点 Weekly Watch】 米PGAツアー最終予選会で金谷拓実が3位に入り、上位5位までの狭き門を突破しました。夢の舞台が実現し「本当に苦しかった……。うれしい。それだけです」と言って涙を流しました。その言葉がすべてでしょう。 【写真】ゴルフ界の“ビジュアルクイーン”臼井麗香がコース新「63」の大爆発!前夜祭では「悩殺衣装」披露 同じく4日間競技だったその前の2次予選会の初日は4オーバー59位。最終予選会に進むには上位15位タイまでが条件ですから、絶望的な出遅れでしたが、2日目に63の好スコアで挽回し、夢をつなげました。この巻き返しは、金谷の「諦めない」心の強さです。ゴルフに対する真摯な取り組みは、ここぞというときに出るものです。 来季の同ツアーは松山英樹を筆頭に、2年目の久常涼、欧州ツアーから出場権を得た星野陸也、下部ツアーから昇格した大西魁斗の総勢5人が参戦します。金谷も、欧州、アジア、米ツアーにも、チャンスがあれば積極的に出場し、腕を上げてきました。ショットだけでなく、スコアをつくるうまさは国内ではトップクラスです。着実に力をつけてはいるものの、米ツアーはレベルが高く、選手層も厚い。1年目からすぐに優勝を手にするのは難しいかもしれません。それでも他の選手の飛距離やテクニックに動揺せず、これまでのゴルフを変えずに戦い続けて欲しい。課題はやがて見えてきます。いずれにしても焦らないことです。そして、ツアーメンバーと笑顔で挨拶や会話ができるようになれば、試合を離れたときにリラックスできる。新たなフィールドに早く慣れて欲しいですね。 一方、星野や大西も海外で揉まれて米ツアーのメンバーになったわけですから、シード権取りは最低目標。ルーキーでも、さらに上を目指しているかもしれません。 女子は、最終予選会トップの山下美夢有に、岩井明愛・千怜の姉妹、吉田優利、馬場咲希が通過。TOTOジャパン優勝の竹田麗央を加え、来季は13人の日本勢が米国を主戦場にします。こちらは1年目から優勝を狙えるメンバーが揃っています。 2年目を迎える西郷真央も、今年はトップ10入り7回でポイントランキングも堂々の9位。何度か優勝を争いながら、取りこぼしがあり、本人も悔やんでいるはずです。ゴルフ漬けのオフを過ごすことになるでしょう。 来季の米女子ツアーは、 「最初に勝つ日本人は誰か」 「日本勢は何勝するのか」 「2年連続でメジャー優勝者は出るのか」 期待は膨らむばかりです。 (羽川豊/プロゴルファー)