<解説>アニメ「キンプリ」新作公開 “地元の祭り”に通じる不思議な魅力
「キンプリ」の人気の話になると、熱心なファンや応援上映に目がいきがちですが、背景としては、ファンの熱意に応えてくれた劇場やプラットフォーム、配給側の動きも大きかったのです。今回の新作劇場版発表時に、前作公開から4年ということもあり「COME BACK」と言われた際、ファンが「え!いつの間にどこかに行ってたの!?(=ずっとそばにいると思ってた)」と反応したのも、こうして新作公開がない間も上映の灯が消えなかったためでしょう。
加えて、そうして上映が行われ続けてきた結果、実はここ数年で新たに「キンプリ」にハマってくれるファンの存在もじわじわと増え続けています。8年の間に、当時スピンオフ元の「プリティーリズム」を見ていた人たちが、時を経て「キンプリ」にハマったり、新作公開がない間の再上映時にハマった人が、今回初めて一緒に新作公開を迎えられると、今もまさに上映を心待ちにしていたりもするのです。
本シリーズは公式HPで「累計128万人の心をときめかせた大ヒット劇場アニメシリーズ」と紹介されています。つまりそれは、この地球上にはまだ「キンプリ」をみたことがない人類が70億人以上いる計算なので、今後も上映が続きファンの応援が続く限り、その中の何人かが新たに本作に触れて盛り上がりに加わってくれる可能性もあるのです。
そう考えると本作は、懐かしい作品どころかやはり現行ジャンル、それも実はまだまだ盛り上がりの伸びしろも満載な作品と言っても過言ではないかもしれません。
本作が長年楽しまれ続けてきた背景には、こうした“上映を続けてくれた興行・配給側”、その間にも“新しくハマって盛り上がりに加わってくれた人々”の存在があったと考えられます。加えて欠かせなかったのが、8年続く上映に度々足を運び、周りに薦めながら新たにハマってくれる人を常に迎え続けてきた根強い従来のファンの存在です。
もちろん中には、これだけ長い年月だけあって、ずっと「キンプリ」を好きでいながらも、普段は別の作品を追いかけたり、他の界隈に身を置いているという人も少なくありません。しかしそういった人たちも、ひとたび作品に新たな動きがあれば戻ってきて一緒に盛り上がらずにはいられない、まるで“地元の祭り”のような、一度ハマるとそうして自身の“殿堂入り”ポジションに位置付けられる不思議な魅力が「キンプリ」にはあるのです。