自転車競技を引退しガールズケイリン専念へ 梅川風子は「命を削って走った」経験を糧にGⅠ開催「競輪祭」連覇を狙う
【カギを握る予選順位】 昨年の競輪祭では、「ミラクルが起きた」と表現するほどのコンディション不良に悩まされながらの優勝だった。今年はコンディションを整えて臨める状況にあり、現状についても冷静に自己分析できている。 「昨年の自分と比べると一段階成長できているのかなとは思いますが、ガールズケイリンと自転車競技の世界はまた別という感覚も自分のなかにはあって、今はそこをマッチさせている段階です。特にギア比の部分ではギャップがあるので自転車競技の踏み方をするとガールズケイリンでは通用しません。自分が苦手な『軽いギアを回す能力』を磨いていかないといけないと思います」 そして連覇に向けて大きな壁になるのが、ナショナルチームでともに活動した佐藤水菜(神奈川・114期)の存在だ。 佐藤は、梅川も走った世界選手権の女子ケイリンで日本勢として初となる金メダルに輝いただけでなく、パリ五輪の帰国直後に参戦した「女子オールスター競輪」で優勝するなど確かな実力を誇示している。 「今はサトミナ(佐藤水菜)の一強という感じもあるので、彼女をどう倒すかも自分のなかでは大切な争点になってきます。レースは7人で行なうものなので、その時の空気感に合わせた判断力を磨いていく必要があります。競技をやるようになって『勝つことがすべて』と特に思うようになりましたし、負けてよしではなく勝負にこだわったレースをしたいです」 間近でその走りを見続けてきた梅川は、佐藤のずば抜けた強さをはっきりと認めたうえで勝負を挑んでいく。昨年の決勝戦では、ゴール直前で猛然と佐藤を差し切ってみせた梅川。今回はどんな展開になるのだろうか。最後に、連覇を手繰り寄せるためのポイントを聞いた。 「予選の2日間を1着1着で勝ち上がることが大事で、サトミナが同じように勝ち上がると1番車と2番車で並んでスタートできるんです。隣だからと言って後ろが取れる(佐藤の後ろを走れる)とは限りませんが、ギリギリで勝ち上がって車番が外(6番車や7番車など)になってしまうとかなり難しい。そこが初日からのキーポイントになると思います」