日本のヘアサロンに駆け込む中国人観光客が急増中。高度な技術と「おもてなし空間」を大絶賛
「モノ消費」から徐々に「コト消費」へ
中国人の訪日旅行は、買い物などの「モノ消費」が中心ではあるものの、「コト消費」の割合も徐々に増えている。日本の伝統文化やアニメ文化の体験などが人気だが、カットやカラーなどヘアスタイリングの施術を目的に来日する中国人観光客も増えている。 調査会社トレンドExpress(現、NOVARCA)が運営するウェブメディア「中国トレンドExpress」が2019年にまとめた「中国人が日本でしたいこと」ランキングでは、6位に「美容院に行きたい」が入っている。 具体例を一つあげよう。2024年の夏、卒業旅行で日本を訪れたAさんは、知人の勧めで銀座のヘアサロンを予約した。料金はカット、カラー、トリートメント込みで約1万円。中国のヘアサロンのせかせかしている雰囲気とは真逆で、落ち着いた店内へ中国語の通訳が案内してくれた。美容師は、決して押し売りすることなく、カットやカラーのオーダーを丁寧に聞いてくれた。心地よい施術が終わって店外に出たAさんは、「頭全体がキラキラ輝いている」と感じ、早速SNSに「最高の接客だった」と投稿している。それから3カ月経っても、髪色が少し明るくなっただけでカラーの持ちも良かったため、次回の日本旅行でも、また同じヘアサロンに行こうと決意したという。 リクルートの調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」が2024年9月に訪日外国人旅行者936人を対象に実施した調査では、18.8%がヘアサロンを利用したいと回答した。実際に日本のヘアサロンを利用した外国人旅行者からは、丁寧な対応や高度な技術に対して感動の声が寄せられたという。ちなみに、外国人旅行者が美容サロン(ヘアサロン、ネイルサロン、エステサロンなど)に1回あたり支払ってもよいと考える金額の平均は1万4033円だった。 2024年1~10月の訪日中国人観光客数は580万人を突破し、国別で2位となった。増え続ける中国人顧客に対応するため、日本では多くのヘアサロンが中国語を話せるアシスタントを配置しているという。 (36Kr Japan編集部)