「狭心症治療薬」でED改善⁉...超富裕層になるために知っておきたい、世界的な大ヒット商品を生み出す「逆転」の思考法
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第31回 『企画の中身はそっちのけ⁉...アメリカの投資家に評価される、日本では「ありえない」起業家の素質』より続く
失敗から生まれた大成功
先に天の運、地の運、人の運と書きましたが、誰にも制御できない理由でビジネスが失敗することもあります。誰がコロナ禍を予想できたでしょう。この影響で失敗したビジネスは、それこそ星の数ほどあるでしょう。逆もあります。コロナ禍で想定外にヒットしたビジネスもあるわけです。 これこそ天運でしょう。天運がなかったからだめではないのです。ならば、またチャレンジすればよい。なぜだめだったか、天運がつかなかったのか、分析するのです。 日本でも、失敗は成功の母といいます。 たとえば、抗生物質の元祖であるペニシリンは、病原菌の培養実験中、片づけを忘れて休暇に出てしまったことが原因で発見されます。休暇から戻ると培養皿の中で、青カビが混入した皿だけ、病原菌が繁殖していなかったのです。病原菌の繁殖実験でコンタミ(異物混入)があったのですから、これは実験失敗のはずです。これを単なる実験の失敗と考えず、「なぜ、この皿だけ病原菌が繁殖していないのか」に着目したことから、ペニシリンが発見されます。 また、3Mという世界的な企業があります。社名は知らなくても「ポスト・イット」という商品名を知っている人は多いでしょう。この「貼って剥がせるメモ」は、世界中で活用されています。この商品は失敗から生まれました。誤って、剥がれやすい接着剤を開発してしまったのです。この段階では、これは単なる失敗にすぎません。ところが3Mの開発担当者はここで考えたのです。「剥がれやすい接着剤の使い道」を。これが「ポスト・イット誕生秘話」です。