植田総裁の発言が円安容認と受け止められ1ドル160円台まで円安が進行:政府は為替介入実施か
年初からの円安は家計に年間6,600円の負担
4月10日に1ドル152円という2022年、2023年の円安のピークの水準という節目を超えて円安が進んでから、短期間で8円も円安が進んだ。年初の1ドル約140円からは約14%も円安が進んだことになる。それは、消費者物価を1年間で0.2%程度押し上げる効果を持つ(内閣府「短期日本経済マクロ計量モデル(2022年版)」による)。 この物価上昇は、総世帯の家計には平均で年間6,590円の負担(実質消費活動が変わらない場合に、追加の出費となる金額)となる計算だ。円安進行は、原油高と合わせて、個人の将来の物価上昇懸念を高めることを通じて、短期的にも個人消費の強い逆風となる。 それが強く表れ、個人消費の低迷が強まれば、日本銀行の追加利上げの制約要因にもなっていくだろう。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英