「元気のないおじさん」が増えたワケ 理性的に自らを客観視した正しい姿 過信と卑屈の「ど真ん中1ミリ」にある自信を取り戻そう
【マネー秘宝館】 今年もあと数日で終わりです。皆さんは振り返ってどんな年でしたか? 今回は1年を振り返って雑感的に「元気のないおじさん問題」について。 私は若い頃、60歳を超えた年配者が苦手でした。特に男性の年配者が大の苦手。なぜなら「自慢と説教が多い」からです。それゆえ、あんな人間にはならないように、と心に誓って生きてきました。 現在、私は酔っ払わない限り、それほど説教していないと思います。なかなか自制心が効いた、これぞ良きおじさんのありかた。皆さんも見習うように…と言いたいところですが、どうも最近、世の中の様子がおかしい。 「自慢げに説教するおじさん」がめっきり少なくなりました。特にお役所や大企業にお勤めの皆さん。これまで若い部下を引き連れて飲みまくり、「俺が若い頃は」と武勇伝をほえていた豪傑たちはどこへ行ったのでしょう。ほとんど見かけません。 セクハラやパワハラを警戒するうち、すっかり静かになってしまったようです。それどころか若い人たちに気を使いすぎ、迎合しているようにすら見えます。 私が思うに今の世の中に「元気のないおじさん」が増えたことには3つの理由があります。まず1点目は「昔からそういうものである」こと。私自身が還暦を超えてわかったのですが、この年になると何かと衰えを感じて、ため息をつく機会が増えます。 2点目は自分の若い頃の成功は「追い風参考記録」だと分かったこと。あの頃うまくいったのは景気が良かったから。そのことに気付くと自慢する気がうせます。 そして最後の3点目はChatGPTをはじめとするAIの方が「若い人が望むアドバイスがうまい」と理解したこと。これを認めた瞬間、おじさんは無口になります。 以上、3点から「理性的なおじさんほど元気を失う」という結論が導かれます。「元気のないおじさん」は自らを客観視した正しい姿なのです。 この現象は来年以降も続きそうです。さあ、困った。どうすればおじさんは元気を復活できるのでしょうか。 ――残念ながら、その答えは私にも分かりません。来年の本連載でじっくり考えることにしましょう…と思ったら年明け1月で休刊じゃないか、夕刊フジ! まったくもって困ったもんだ。