魚を毎日食べることはどれくらい健康に良いの? 食のプロが解説
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 淡白で優しいティラピアやタラから、味が濃いサーモン、マグロまで、魚にはたくさんの種類があり、それぞれに味や栄養素が異なる。焼いたり、炙ったり、炒めたり、魚があればたんぱく質が豊富な食事を簡単に作ることができる。 けれど、魚介類が大好きでよく食べる(たくさん食べる)という人は、毎日魚を食べることがどれだけ健康的か疑問に思ったことがあるのでは? ペンシルベニア州のドレクセル大学で料理芸術と食品科学科のプログラムディレクターを務めるローズマリー・トラウトさんに、食生活における魚の役割について詳しく尋ねてみた。
魚を食べることの健康メリット
魚を食べることは、たんぱく質を摂取するいい方法だと考えられている。「総合的に見て、魚は体内で生成できない9種類の必須アミノ酸すべてを含む、完全たんぱく質の優れた供給源です」とトラウトさんは話す。 たんぱく質以外にも、冷水魚(サーモンやマグロなど)には体内で生成されない必須脂肪酸が豊富に含まれている。脂肪酸は、心臓血管の健康をサポートすることで知られる。そのうえ、種類によっては、そのほかの栄養素のほかにコリンやヨウ素の優れた供給源でもある。
魚はどれくらい食べるのが健康にいい?
「アメリカ人のための食事ガイドライン」によると、成人は摂取カロリーに応じて、たんぱく質が豊富な食品を一日につき約140~200g摂取することが推奨されており、これには一週間あたり約230~290gの魚介類が含まれる。2015年の「TODAY.com」の記事では、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の教授兼疫学者が、ほとんどの人は毎日魚を食べても「問題ない」と述べている。 さらに、魚を食べる際に懸念される問題として、水銀がある。「メチル水銀は、とくに中枢神経系や子宮内の赤ちゃんにとって有毒なので、生物蓄積が懸念されます。そのため、妊娠中や授乳中の女性は、メカジキ、マグロ、サメなどの大型魚を食べないよう推奨されています」とトラウトさんは話す。 米食品医薬品局では、サーモン、海老、ブラックシーバス、タラ、ホタテ、ティラピア、ロブスター、イワシのような、水銀含有量の少ない魚を摂取することを推奨している。また魚の大きさによって、メチル水銀の含有量が変わる場合があるという。「組織内がメチル水銀で汚染された小魚を大きな魚が食べると、生物濃縮が起こり、大きな魚のほうが汚染濃度が高い恐れがあります」と彼女は説明する。