廣岡達朗コラム「なぜ大谷は人の4倍、トレーニングするのか?」
巨人の野球とは
巨人では、岡本和真のメジャー移籍が噂されている。行けばいい。それより私が問題だと思うのは、ヤクルトで野村克也の右腕だった橋上秀樹が作戦戦略担当のコーチに就任したことだ。巨人には巨人の野球がある。それなのに他球団出身のブレーンを連れてくるのは感心しない。 試合に勝って当たり前。負けたら負けてやったと言うのが巨人の野球。負けたからといって落ち込んでいたらいけない。負けても平気な強靭な精神を持った男を育てるのが巨人だったのだ。 最後に日本シリーズはDeNAが制した。シーズン3位が勝って、コミッショナー、球団幹部がどう思うのか。DeNAの選手たちに罪はないが、やはりシーズン143試合をやって勝ったら勝ち。それを3位のチームが7戦のうち4つ勝ったら日本一などというバカな話があるか。 ●廣岡達朗(ひろおか・たつろう) 1932年2月9日生まれ。広島県出身。呉三津田高、早大を経て54年に巨人入団。大型遊撃手として新人王に輝くなど活躍。66年に引退。広島、ヤクルトのコーチを経て76年シーズン途中にヤクルト監督に就任。78年、球団初のリーグ制覇、日本一に導く。82年の西武監督就任1年目から2年連続日本一。4年間で3度優勝という偉業を残し85年限りで退団。92年野球殿堂入り。 『週刊ベースボール』2024年11月18日号(11月6日発売)より 写真=Getty Images
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