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米マサチューセッツ州の施設がビーバーの赤ちゃんを保護した。インスタグラムで人気者になるが、州の生物科が野生に戻すよう要請。約2年にわたる法廷闘争が決着した。 【画像】ネットで人気を集めたビーバーのニビ

2022年5月、米マサチューセッツ州の野生動物保護センターに、ビーバーの赤ちゃんがやってきた。保護センター「ニューハウス・ワイルドライフ・レスキュー」は、ビーバーを「ニビ」と名付けた。ニビは同州スターブリッジの道路沿いに放置されており、母親も見つからなかったという。

保護センターの代表ジェーン・ニューハウス氏は、ニューヨーク・タイムズ紙にこう語る。

「ニビほど幼いビーバーの赤ちゃんは通常、巣の外に出ることはありません。ビーバーの巣は入り口が水中にあり、まだ泳ぐことができませんから」

保護センターは、ニビの成長の記録をInstagramに掲載した。するとたちまち、インターネットの人気者に。すっかり体も大きくなり、センターでの生活にも慣れているようだ。

実はさかのぼること2022年9月、マサチューセッツ州の漁業野生生物科（マス・ワイルドライフ）から、ニビを野生に戻すよう保護センターに要請があった。

しかし保護センターは、ニビは野生に戻れず、解放すると危険にさらすことになるとして、要請を拒否。代わりに、教育動物として学校や図書館など州の施設に連れて行く許可を申請した。

BBCによると、保護センターはニビを他のビーバーと会わせるなど野生に戻るリハビリを行ったが、どれもうまくいかなかったという。

双方の意見は対立し、訴訟にまで発展した。ニビのInstagram投稿には、「ニビを救って！」と毎回数千件のコメントが寄せられ、ニビを野生に戻すことに反対する2万5000人以上の署名が集まった。

訴訟は長引き、ついにはマサチューセッツ州のマウラ・ヒーリー知事が介入。2024年10月4日、裁判に決着がついた。ニビは、保護センターに留まることが許された。

ヒーリー知事は「ニビは、私も含め、多くの市民の心をとらえています」と語る。