LVMHも買収に乗り出した。「 紙媒体 」がファッション業界で復活している背景
メディア買収はファッションブランドが力を誇示する方法
では、なぜLVMHやベッドフォードメディアはこのような時期にメディアへの投資を望むのだろうか。 3月初めにウォールストリート・ジャーナル・マガジン(Wall Street Journal Magazine)の編集長であるサラ・ボール氏に話を聞いた際、同氏はメディア企業の買収を、大手ファッション企業が「自分たちの力を示す」方法だと説明した。 LVMHはすでにファッションと結びついており、写真やセレブリティの情報で知られる影響力のある紙媒体の雑誌を所有することは、収益よりもブランディングの面で重要なのだ。 米国の紙媒体メディアの広告収入は、2026年までに年間50億ドル(約7581億円)以下に落ち込むと予想されている。一方、LVMHの昨年の総収入は1000億ドル(約15兆2000億円)近くにのぼる。億万長者のジェフ・ベゾス氏が「ワシントン・ポスト(The Washington Post)」を、パトリック・スンシオン氏が「ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)」を買収したように、これは巨額の収益を上げることを目的とした必須な買収ではない。しかしLVMHやベッドフォードメディアのような企業にとっては、自社の名声を高めるためのひとつの手段なのである。 [原文:Weekend Briefing: What’s behind the revival of fashion’s print media?] DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida、編集:都築成果) Image via Paris Match
編集部