インド株型投資信託の合計残高が4兆円の大台に迫る! 個人投資家のインド株型の選択肢が拡大中!【投資信託の最前線】
●2024年上半期の資金流入上位30位までに インド株型投資信託が4本ランクイン 2024年度上半期(4月~9月)の投資信託市場への資金フローは、約9兆円と大規模な資金流入となりました。8月初めの株式相場の乱高下もあり、8月と9月の資金流入額は減速傾向にありましたが、それでも月間1兆円を超える高水準の資金流入が続いています。 2024年上半期の流入額上位の投資信託をみると、グローバル株や米国株を投資対象とする低コストのインデックス投資信託がベスト10中4本と、引き続き上位を占めています。アクティブ投資信託では、グローバル株、米国株型が名を連ね、さらにインド株型投資信託も1本ランクイン。トップ30まで広げて見ると、インド株型投資信託は4本ランクインしています。この上半期においてインド株型投資信託の存在感が高まっていると言えそうです。 そこで、今回は、インド株型投資信託の現状についてまとめていきましょう。 ●インド株市場は過去最高値を更新し好調 これを背景に資金流入額は24カ月連続のプラス インド株型投資信託は2022年夏頃から資金流入に転じました。以後資金フローは2022年10月から24カ月連続のプラスとなっています。その合計残高は2023年12月に初めて2兆円を突破、2024年4月に3兆円を突破し、9月末時点の残高は3.8兆円と、4兆円の大台に迫っています。 冒頭で指摘したように2024年8月と9月の資金流入額は減速して1000億円を下回るなど、8月の乱高下を受けて一時期の勢いはなくなっていますが、上半期トータルでは、資金流入額が約8400億円に達しました。インドの株式市場も8月前半に大きく値を下げる場面がありましたが、上半期を通じてみれば、インド株全体の値上がりに加えて、高水準の資金流入がインド株型投資信託の残高を大きく押し上げました。●最初の1本は2004年9月に誕生 合計残高は過去の2度のブームを大きく超える水準に もう少し過去に遡ってみましょう。日本で初めてインド株型投資信託が誕生したのは2004年9月でした。金融危機前の2007年12月に一度1.4兆円のピークをつけた後失速しますが、2017年頃にインド株投資の人気が高まり2018年1月に再び1.4兆円の残高に達しました。 そして、2024年9月末現在のインド株型投資信託の残高は、3.8兆円と過去のピークの2.7倍程度に達しています。2023年に人口が中国を上回って世界最大となったインド(出所:国連)ですが、日本の投資信託市場でも、その存在感が急速に高まっています。 2023年には5本、2024年も9月までにすでに5本のインド株型投資信託が設定されました。個人投資家のインド株投資の選択肢もますます広がっています。 ※インド株型ファンドの商品や選び方を知りたい人は【関連記事】もチェック! 藤原延介(ふじわら・のぶゆき) 1998年三菱信託銀⾏(現三菱UFJ信託銀行)⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。投信営業本部マーケティンググループ 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
藤原延介
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