IoT主導の変革が急速に進む中国
【東方新報】中国は2023年末までに、前年比30パーセント増の23億台のモノのインターネット(IoT)デバイスを持つことになる。中国は現在、先進的なインターネット・インフラと革新的なアプリケーションでIoTの発展をリードしている。 11月20日に北京市で開催された世界のモノのインターネット会議(World Internet of Things Convention、WIOTC)で発表されたところによると、中国は320万以上の5G基地局を展開し、デジタル経済の価値は2023年に前年比25パーセント増の60兆元(約1254兆円)を超える。 北京を拠点とするテクニカルアナリストの劉丁丁(Liu Dingding)氏は21日、中国共産党機関紙の人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)の取材に対し、中国はIoTアプリケーションと製造の面で主導的な地位を維持しており、その膨大なユーザーベースと、巨大な製造能力や能力を考慮すると、IoT開発の世界的リーダーであると語った。 IoTはユビキタスインターネット接続というコンセプトに基づいている。ネットワークに接続されたカメラやセンサー、その他のスマートデバイスであらゆるものを接続することで、IoTはデバイスをより身近で使いやすいものにする。IoTの応用は産業と民生の両分野におよび、スマートホームやスマートファクトリーのアイデアを生み出すと劉氏は述べた。 また劉氏は、「華為技術(ファーウェイ、Huawei)、海爾(ハイアール、Haier)、聯想集団(レノボグループ、Lenovo)、小米科技(シャオミ、Xiaomi)など、いくつかの中国企業がIoTの開発をリードしている。AI音声アシスタントを搭載したスマートスピーカー、スマート家電から完全自動化されたスマート工場まで、彼らはIoT変革の最前線にいる」と話す。 さらに「中国企業はIoTアプリケーションもリードしており、多くの先進的な利用シナリオを開発しているが、チップやOSの開発ではまだ追いついていない」と劉氏は指摘する。 IoTに支えられたデジタル経済の波が到来し、世界の社会経済進化を大きく変えるだろうと、WIOTC執行委員会の何緒明(He Xuming)会長は述べた。また2030年までに、世界のIoT接続数は800億を超え、世界のIoT経済の年間価値は40兆ドル(約8361兆円)を超えると予想されると何氏は話す。 中国は近年、インターネット産業とデジタル経済の発展に大きな力を注いでいる。世界最大のインターネット・ユーザー数を誇り、インターネット・インフラも発達しているからだ。 清華大学(Tsinghua University)は11月13日、容量1.2テラビット毎秒の次世代超高速バックボーン・ネットワークを発表し、テスト運用を開始した。このネットワークは、中国の10億7900万人のインターネット・ユーザーに高速インターネット・アクセスを提供するために設計され、北京市、武漢市(Wuhan)、広州市(Guangzhou)の3大都市を結んでいる。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。