「アジア和僑」は日本経済の発展につながるのか?
和僑の日本経済へのリターンは?
アジアに広がりつつある和僑ですが、こうした動きは日本経済に今後どんな影響があるのでしょうか。日本経済のためになるのでしょうか。齋藤氏は力を込めて語ります。 「政府としては、和僑は、外に税収を収めることになるので、政策的に支えるのは難しいかもしれないが、中長期的なスパンで考えたとき、彼らが日本に戻ってきたり、後継者を育てたりして、その与えるインパクトや見えない波及効果は大きい。 華僑や印僑のように、一部が地元に戻って、人を育てて、その魂持った人たちを送り込む。その「好循環」が機能し始めるスイッチがいま入ったところ。動的な動きこそが和僑の本質と思っている。それを回すために、みんなが動きやすい環境を政府も整えて、大手企業も和僑的な人を支えてあげてほしい」
■齋藤禎(さいとう・ただし) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経済・社会政策部 主任研究員。長年、国などを中心に、通商政策、産業政策、中小企業政策に関わる調査研究やコンサルティングに従事。これまでに、企業経営者や起業家らへの広範なインタビューを手がけ、政策提言や事業戦略の提案につなげている。中国・上海など和僑会との交流も深い。