変幻自在な2シャドーの組み合わせ。11月シリーズでは7パターンを活用。豊富なバリエーションに膨らむ期待感【日本代表】
まだまだ幅は広がりそうだ
後半途中から南野と鎌田が交代してからは、『鎌田・久保』のコンビにスイッチ。これも最終予選ではしばしば見られる形だ。この場合、鎌田が下がり目に位置してボランチのカバーをしながら攻撃を組み立て、久保はより前目でプレーすることが多くなる。 この日は10分程度しかこの組み合わせで共闘しなかったため、久保にはチャンスらしいチャンスが巡ってこなかったが、今後、関係性を突き詰めていけば、もっと大きな効果が期待できそうだ。 そこから『前田大然(セルティック)・鎌田』という初めてのコンビへシフト。この時間帯は古橋亨梧(セルティック)が最前線に陣取っていて、前田は彼と2トップ気味でプレー。鎌田は田中碧(リーズ)とともにインサイドハーフ的な立ち位置になる場面も。かなり流動的なポジショニングで戦っていた。 ここで特筆すべきは、大外の三笘と左シャドーの前田の好連係。10月のオーストラリア戦の三笘・中村の「ドリブラー×ドリブラー」と同様に、スピードタイプが2人並ぶことによって、左サイドの破壊力が増したのだ。 2人が絡んで古橋の決定機も演出。1つの新たなオプションを示した。これも明るい材料と考えていいのではないか。 つまり、森保監督は11月シリーズだけで2シャドーでは7つのコンビにトライしたことになる。9月シリーズの『浅野拓磨(マジョルカ)・久保』、10月シリーズでの『三笘・堂安』、『中村・久保』も含めると、組み合わせは二桁に上る。 この先、古橋を一列下げてシャドーで使うオプションもあるかもしれないし、最終予選で未招集の鈴木唯人(ブレンビー)などの抜擢もないとは言えない。まだまだ幅は広がりそうだ。 これだけ多種多様なシャドーのコンビを、いかにして2026年W杯本番での上位躍進につなげていくのか。いずれにしても、変幻自在の2列目のバリエーションが攻撃のカギになっていくのは間違いなさそう。2025年の動向を慎重に見極めたいものである。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
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