「専業主婦願望はゼロ」 幼いころうんざりした父親の言動 経済面・精神面で自立したいZ世代
■父親の言動にうんざり “寿退社”という言葉に代表されるように、かつては結婚後に女性が仕事を辞め、家庭を守るという風潮が根強かった。だが、共働きを選ぶ人は年代を問わず増加傾向にある。 23年の総務省「労働力調査」によると、共働き世帯は1278万世帯、専業主婦世帯は517万世帯だった。1980年の同調査では共働き世帯が614万世帯で専業主婦世帯が1114万世帯なので、この43年の間に逆転していることがわかる。 女性の社会進出が進み、育児休業も拡充。共働き世帯増加の背景には、仕事と家庭を両立しやすくなったこともある。 「専業主婦願望はゼロ」だときっぱり言い切るのは、関西に住む女性(32)だ。ゼロ願望を持つきっかけは、幼いころに聞いた父親の一言だった。 「父は建設業の一人親方で、母は私たちを育てながら仕事の手伝いもしていました。なのに、父は夫婦げんかのたびに『誰のおかげで飯を食わせてもらえてるんだ』と怒鳴る。それがすごく嫌で自立したかった」 家族仲は良好だが、母の労働を認めない父の言動にはうんざりしたという。 取材した女性の多くが、「自立していたい」と口にした。その言葉からは経済面、精神面、そして社会面で自立したいという思いが見えた。 (編集部・福井しほ) ※AERA 2024年11月25日号より抜粋
福井しほ