<池井戸潤>インスパイア作品「民王R」は「好きにやってね、よろしくね」 遠藤憲一&制作陣を信頼 “けしからんドラマ”に期待も
「ストーリーは長さの大小にかかわらず、考えるのは同じぐらい難しいんです。1話完結の物語を作るのは、単純にその話数分だけ労力が倍に……たとえば9話分だったら9倍、労力が掛かるんです。それにあえてチャレンジしてきたのは本気なんだなって。前回は深夜枠だったので、ゴールデンにきて更に力を入れて作っているなと思いました。ただ、遠藤さんの負担もその分9倍に……」と笑う。
「俺が疲れるのはそこなんですね(笑)」と遠藤さん。9年ぶりの続編決定に「大好きなドラマだったので、マジ!? 面白そう!って前のめりになりました」と喜んだというが、いざ撮影が始まると「毎回違う人と入れ替わっていくので、予想の何倍も大変。正直、役者人生でこの作品が一番大変だなって感じています」と苦笑い。「監督とプロデューサーと相談しながら、くたくたになって、壁にぶつかりながら演じています」と述べた。
◇制作陣の胆力が試される
「台本の表紙だけ、拝見しました(笑)。遠藤さんをはじめキャストと制作陣を大信頼して、全てお任せしています」という池井戸さん。
その理由について「自分の作品の建て付けをうまく使ってもらって、クリエーターが力を発揮できるのであれば、原作者として一切文句も言わないです。それで、日本の映像文化を底上げできるなら。『民王は好きにやってね、よろしくね』と、そういう一句と共にお任せしています(笑)。今回は客観的に放送を楽しみたいですね」と述べる。
「ただ、単純なおちゃらけにしてしまったらダメだと思います」とも。「社会的視点がなかったら、ただのおバカなドラマで終わってしまう。そこは押さえた上で弾けてほしい。社会的問題を問える入れ替わり物語になっているといいなって思います」と希望する。
これに遠藤さんは「そこはバッチリです!」と即答。「社会問題がガッツリ描かれているエンタメ作品になっています。泰山が入れ替わっていくのにも、その話ごとに必ずテーマがあるので。原型は壊れてはいないと思う。池井戸ワールドで今回も突き進んでいると思います!」と自信を見せる。
池井戸さんは「ゴールデンなので、いろいろとゆとりがあるようですし(笑)。どこまで“けしからんドラマ”を作れるのか、制作陣の胆力が試されるなっていう気がします。楽しみです」と、遠藤さんと制作陣に期待を寄せた。