放送中のドラマ『RoOT / ルート』で探偵コンビを演じる俳優の河合優実さんと坂東龍汰さん。

2024年4月2日(火)より放送中のドラマ『RoOT / ルート』(テレ東ほか火曜深夜24:30～)にて、探偵コンビを演じる俳優の河合優実さんと坂東龍汰さん。アニメ『オッドタクシー』の世界から生まれた群像"ヒューマン"ミステリードラマに取り組む中で、二人がともに抱いたのは「鳥肌が立つ感覚」。そこから、互いにぜひ読んでみてほしいという本を2冊ずつ紹介してもらった。

ドラマ『RoOT / ルート』でW主演

撮影中も息の合った動きを見せてくれたお二人。『RoOT / ルート』では、チグハグ探偵コンビとして謎めく人間ドラマに飛び込んでいく。

──ドラマの下敷きとなっているのは、アニメ『オッドタクシー』。主人公のタクシー運転手・小戸川を取りまく誰もがそれぞれに事情を抱えていて、ミステリー要素もある群像劇です。アニメは登場キャラクターがすべて二足歩行の動物ですが、『RoOT / ルート』は実写。アニメの世界を別角度から見たような作品ですね。お二人が演じる探偵コンビは、ひょんなことから小戸川の身辺調査を始め、そこから女子高生失踪事件を追っていくことになります。 河合優実(以下、河合)：実は初めての「バディもの」です。オファーをいただいたときはまだ詳細がわからず、「アニメの世界観をもとにした"実写ドラマ"」とだけ聞いていたので、(アニメでは)登場人物が動物なのに、どう撮影するのか不思議に思っていました(笑)。でも、『オッドタクシー』を観たり脚本を読み込んだりするうちに、実写にする面白みがあると感じ、それを大事にしようと思いました。 坂東龍汰(以下、坂東)：僕は以前アニメを観ていて、とても好きな作品だったので今回のお話をいただけて嬉しかったです。でも、優実ちゃんと同じで、あのキャラたちをどうドラマにするのだろうと。「まさか着ぐるみかな？」なんて(笑)。 ──河合さん演じる玲奈は探偵事務所で働いていて、そこに坂東さん演じる佐藤が新人として入所します。先輩・後輩としてタッグを組んでみていかがでしたか。 坂東：意外と普段のまま役に入れました。優実ちゃんとは、なんというか、「何もしない方がうまくいく関係性」。共演も三度目で役者同士の信頼もありますし、特に「こう作っていこう」と何かを意識することなく二人で自然に演じていくことができたと思います。 河合：印象に残っているのは、撮影中に坂東くんが「僕たちはストーリーテラーになるべきだ」と言ってくれたことでしょうか。 ──ストーリーテラーになる、とは？ 坂東：このドラマでは、玲奈と佐藤は主役だけれど、物語を動かしていく側ではないんです。僕たちの会話には次の展開の鍵となる情報が色々入っていて、観ている人に向かってそれをちゃんと伝えるのが二人の役割。とはいえ、セリフが説明調にならないよう、自然な会話に聞こえることも大事。説明するという意味も込めての「(ストーリー)テラー」ではありますが、玲奈と佐藤が普通に話している雰囲気を出したいと思っていました。僕は、役者として優実ちゃんは何があっても動じないだろうという安心感があるので、結構自由にやってしまっています(笑)。 河合：主役としてあえて目立つことはしなくていいよね、という話をしていて、あまり大げさな感じにならないようには気をつけたかもしれません。それで、出来上がりを観たら、二人がちゃんとコンビになっていたので、「うちらいい感じじゃん」って(笑)。 坂東：ね！でも、それもこれも優実ちゃんとの関係性がなかったら難しかったと思います。 ──先ほどの撮影でも賑やかに楽しそうにセッションしていましたね。普段からああいう関係性なんでしょうか。 坂東：そうですね、僕がうるさくて優実ちゃんが静かというか。 ──うるさいとは言ってません！(汗) 河合：いえ、うるさいですよ(笑)。 ──坂東さんは現場でも盛り上げ役的な？ 坂東：盛り上げているつもりはないんですけど…。 河合：盛り上がっちゃうんだよね(笑)。でも、本当にそれで人を巻き込んでしまうんです。周りにいると、坂東くんの発する言葉にどんどん巻き込まれてしまう。そんなパワーのある人です。 坂東：優実ちゃんは僕とは対照的。僕が台風だとしたら、優実ちゃんは「落ちている枯葉」ですね。 河合：え、それ、良い意味…？ 坂東：良い意味！そこに静かにある枯葉のように、すごくナチュラルに存在している。現場に玲奈として立っている、その姿に強い説得力があるんです。 ──お二人のバランスは玲奈と佐藤のそれに似ているようですが、逆に、それぞれの役とご自身で違いを感じるところはありましたか。 河合：玲奈はストレートというか、物事をバサッと言えるキャラクター。佐藤に対しても、目上の指宿さん(編集部註：玲奈と佐藤の探偵事務所所長)に対しても思ったことを素直に口に出せる。私はそこまではできないので、憧れます。あ、でも、今話しながら気がついたのですが、佐藤がいるから「ちゃんとしなきゃ」と思ったのかもしれません。というのも、私、坂東くんといると「自分がちゃんとしないと」と思うんですよ(笑)。 (一同爆笑) 河合：「今写真撮ってるから、静かにして」みたいな(笑)。玲奈もそういう感じなのかなと。 坂東：そうかもね(笑)。ああいう人がそばにいたら自分は子どもになれないよね(笑)。優実ちゃんも、本当はもっとわちゃわちゃしたいんでしょ？ 河合：うん、そうだね、できるなら(笑)。 ──坂東さんは、佐藤との差はどんなところだと思いますか。 坂東：うーん、どうでしょう。似ているところはたくさん思いつきます。僕も、佐藤に負けじと凶運ですし(笑)。あ、でも僕は佐藤よりも痛がりで、怖がりです！ドラマの中で佐藤はチンピラのような人に殴られて怪我をするんですが、その後調査のためにその人物のもとを訪れます。僕だったら、一回殴られた相手に会いに行こうとは思いません(笑)。