武藤嘉紀がJリーグMVP初受賞「家族に捧げたい」 リーグ連覇&2冠獲得の立役者に
神戸からは2年連続2人目
今季J1リーグで活躍したチームや選手、監督を表彰する「2024Jリーグアウォーズ」が12月10日に横浜アリーナで開催され、最優秀選手賞(MVP)にヴィッセル神戸のFW武藤嘉紀が初受賞した。リーグ2連覇を果たした神戸からの受賞は昨季のFW大迫勇也に続いて、2年連続2人目となった。 【画像】2024年のJリーグベストイレブン 誰が守る?4-1-4-1のファイヤーフォーメーション 「J1・MVPという歴史と名誉あるこの賞をいただき、心よりうれしく思います。僕自身、一見華やかな経歴には見えますが、多くのケガ、挫折、紆余曲折を経て今があると思っています。ヨーロッパでは1年間以上ベンチにも入ることができず、家を出る時のドアが非常に重く、帰り道に泣きながらMrs. GREEN APPLEさんの『僕のこと』を大熱唱していたことを鮮明に覚えています。しかし、そういった苦しい経験、逃げ出したくなるような経験が僕を人としてもサッカー選手としても強くしてくれたんだと、今ではそう感じられます」 32歳の武藤は2021年夏に欧州からJリーグに復帰。神戸で4シーズン目を迎えた今季は、リーグ開幕戦となったアウェーのジュビロ磐田戦こそ欠場も、その後はフル稼働し37試合に出場した。抜群の決定力や献身的な守備での貢献を光らせて、チームトップの13ゴールをマーク。神戸のリーグ2連覇、天皇杯を含めた2冠獲得の立役者となった。 単身赴任ながら家族の大きなサポートを受けて栄光をつかんだ武藤。「今まで僕1人で乗り越えられたことは何1つありません」として、両親への感謝のあと「月に1回帰れるかどうかわからない僕ですが、子どもの誰か1人でも熱や風邪があるとうつるわけにいかないと帰ることをキャンセルしてしまったり、腰を痛めたらだめだと、抱っこや肩車も子供たちにはほとんどしてあげられませんでした。授業参観、幼稚園の行事、何1つ見てあげることはできませんでしたけど、今こうやってそういった犠牲があって、このような素晴らしい賞、Jリーグ2連覇、天皇杯優勝、それを成し遂げられたことは家族の支えがあってだと思います。このMVP受賞は家族にささげたいと思います」と、噛みしめていた。
FOOTBALL ZONE編集部