【広島好き】カープの球団史を塗り替える記録を回避したい打撃陣と、塗り替えたい投手陣
9月23日の中日戦に0-1で敗れ、リーグ優勝の可能性が完全消滅した今季のカープ。今季24試合目の無得点試合で21度目の完封負けと、今年の戦いぶりを象徴するような内容での終戦となりました。
残り試合はクライマックスシリーズ進出圏内をかけた3位争いとなるわけですが、シーズン成績という意味で、投打で注目すべき数字があります。
まずは今季、リーグ優勝を逃した最大の要因と言える打撃陣で、23日終了時点でチーム打率(.237)、同本塁打ともリーグワーストの成績。特に本塁打数51本は、12球団で唯一、MLBで今季異次元の活躍を見せているドジャース・大谷翔平ひとりの本塁打数(53本)も下回っています。
球団の歴代記録を見ても、今季のシーズン本塁打数は『歴史的』となる可能性があります。これまでのシーズン最少記録は1952年の29本塁打、次いで1951年の42本塁打となっていますが、1952年は120試合、1951年は99試合とシーズンの試合数が少なく、さらに球団創設直後で選手数もままならない弱小球団の時期でした。
1953年に130試合制となり、2001年からは140~146試合(2004年のみ138試合)と、140試合台のシーズンが定着していますが、130試合以上となったシーズンの最少本塁打記録は2011年の52本。144試合制で行われたこのシーズンは、NPBで初めて統一球が導入された年で、12球団の年間本塁打数が前年の1605本から939本で前年比41%減と「飛ばないボール」が話題になったシーズンでした。
新型コロナウィルスの影響で120試合制となった2020年でも110本塁打を記録しており、今季はやはり『異常事態』と言わざるを得ない年となっています。まずは統一球問題の2011年の数字をクリアし、そして大谷翔平の本塁打数を上回ってもらいたいところです。
前記のような『歴史的貧打』ながらも、9月4日まで首位に立っていたチームの原動力となっていたのが、投手陣の頑張りです。床田寛樹と森下暢仁が2ケタ勝利で防御率2点台、大瀬良大地が防御率1点台と、抜群の安定感を誇った先発陣に加え、クローザーの栗林良吏を筆頭に塹江敦哉、黒原拓未が40試合以上に登板して防御率1点台、森浦大輔、島内颯太郎も防御率2点台と好調なリリーフ陣が、明らかに得点力不足の打線をカバーしていました。