枕のにおい嗅ぎ捜索30分 自宅裏山で倒れ込む高齢男性発見 警察犬ヴィクトール号に感謝状 神戸
行方不明になった神戸市北区の高齢男性を発見したとして、兵庫県警有馬署は県警鑑識課の警察犬「ヴィクトール・フォン・マイン・リーベ号」に署長感謝状を贈った。捜索開始から30分もかからない早さで見つけ、ペアを組む同課の椎谷剛(かたむ)巡査部長(36)は「周辺の冷え込みが厳しかった中、人命救助に貢献してくれた」と功績をたたえた。 【写真】「びびりな性格」は警察犬向き? 高鼻が得意な「ヴィクトール号」22分で行方不明者発見 兵庫・篠山署 ヴィクトール号は4歳の雄のジャーマンシェパード。行方不明者の捜索や強盗事件の容疑者捜査などに携わり、これまでも約10回、感謝状を受けてきた。 昨年11月5日午後9時ごろ、80代の男性の長女から「父親がいなくなった」と110番があった。約1時間15分後、ヴィクトール号は男性の自宅で枕のにおいを嗅ぎ、椎谷巡査部長と捜索を始めた。 地面に鼻を近づけながら進み、たどり着いたのは男性宅の裏山。急な斜面を駆け上がり、同日午後10時40分ごろ、倒れ込んでいる男性を発見した。男性は自宅を出てから10時間ほど経過していたが、けがや低体温症などの症状はなかったという。 式典では、感謝状と犬用ジャーキーが贈られた。終了すると緊張が解けたのか、穏やかな表情でしっぽを振り、椎谷巡査部長は「これからも一緒に頑張ろう」と笑いかけた。(船田翔太)