須﨑優衣、レスリング世界女王の強さを築いた家族との原体験。「子供達との時間を一番大事にした」父の記憶
「子どもたちとの時間を大切に」。“勝負飯”は餃子と天ぷら
――康弘さんは会社を経営しながら子どもたちの指導もする中で、麻衣さんと優衣さんと向き合う時間はどのぐらいあったのですか? 康弘:いつも、子どもたちとの時間を一番大事にしていたので、仕事にも支障が出ないように調整しながら、仕事は後回しという感じで、子どもたちとの時間を作っていました。 ――和代さんはどんなふうに2人をサポートしていたのですか? 和代:そうですね。私も子どもたちを最優先にしていたので、レスリングへの送迎とか、ご飯を作ったりしていました。送迎は車で、片道30分くらいの往復でした。どの家庭でも普通にやっていたことを普通にやっていただけなので、サポートというほどではないんですけれどね。 ――積み重なれば大変なことだと思います。レスリングの時に必ず食べるメニューはあったんですか? 和代:外の食事だとお寿司が好きでしたけど、家庭の食事で本人からよくリクエストされるのは、餃子とさつまいもの天ぷらでした。 ――エネルギーがつきそうですね! 麻衣さんも早稲田大学レスリング部出身ですが、優衣さんが体づくりのことなどを本格的に意識するようになったのはいつ頃だったんですか? 麻衣:体を大きくしようと意識し始めたのは、高校生の時にシニアの階級に出るようになってからだと思います。当時は48キロ級だったんですが、初めて出た時はやっぱりどうしても周りと比べたら体が小さくて細かったので、「筋力をつけなきゃ戦えない」ということで、次の大会では一回り大きくなって臨んでいた記憶があります。 <了>
[PROFILE] 須﨑優衣(すさき・ゆい) 1999年6月30日生まれ、千葉県出身。女子レスリング選手(50kg級)。株式会社キッツ所属。早稲田大レスリング部だった父の影響で、小学校1年生の時にレスリングを始め、小学3年生の時には全国少年少女選手権で優勝。2014年(中学3年生)の国際デビュー以来、これまで海外選手に94戦無敗、国際大会は24大会連続優勝と、勝利を続けている。リオデジャネイロ五輪金メダリストの登坂絵莉など強力なライバルとの代表争いを経て出場した東京大会では、八村塁とともに日本選手団の旗手を担当。4試合すべてで1ポイントも失うことなくテクニカルフォール勝ちをし、金メダルを獲得した。UWW(世界レスリング連合)世界ランキングは1位(2024年7月現在)で、パリ五輪では連覇に期待がかかる。
インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]