【独自解説】なぜ74歳の女性は7000万円を支払ってしまったのか?「信じて応援していたんですが…」急増する『ロマンス詐欺』被害 “なりすまし”されたGACKTさんも怒りの注意喚起「このツイート見せてお母さん守って」
女性(74)が指定された口座にポイント代金を振り込むと、俳優としての活動報告・キャッチフレーズ・オーディションに向けての意気込み・体づくりの経過報告などのメッセージが送られてきたということです。ただ、写真や動画など、本人だとわかるものは送られていませんでした。 2024年9月8日までの2年あまりで、約300回にわたり約7000万円を騙し取られた女性(74)は、「1年ほど前からおかしいとは思っていたが、SNSなどのやり取りで信じて、応援していた」と話しています。 Q.1回振り込んでしまうと、人間の心理として、自分は騙されていると思いたくなくなるのでしょうか? (佐々木氏) 「以前、国際ロマンス詐欺で騙された方に取材をした際、『騙されたと気づいてしまうと、出したお金が100%戻ってこないという事実が自分に降りかかってくるのが、怖かった』と言っていました。また、長期間にわたってメッセージのやり取りをすることで、それがなくなると寂しいといった感情もあると思います」 Q.メッセージが定期的に送られてくることが嬉しい、ということですね? (佐々木氏) 「そうです。これが負のスパイラルになってしまいます。犯罪組織にとっては、会話のやり取りをすることが一つの実績になります」
なりすまし詐欺の疑うべきチェックポイントを、ITジャーナリスト・三上洋氏に聞きました。三上氏によると、「まず、LINEへの誘導があったら疑うべき。また、著名人などからのDMやフォローは、ほぼあり得ない。ただ、プロフィルは巧妙で見抜きにくい」ということです。 (佐々木氏) 「日本人は“良い人”が多いので、入ってくる情報を全て鵜呑みにしてしまい、その情報が正しいかどうかを確認する『ファクトチェック』が足りないといわれています。この“俳優の卵”が実際にいるのかどうか、確認しなければいけませんでした。ただ、これは最初から詐欺だと疑わなければいけない手口です」
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