畏怖の山、イメージの変遷紹介 立山博物館企画展
立山博物館の特別企画展「説話にみる異界と立山」が、立山町芦峅寺の同館で開かれている。全国各地で創作されてきた説話文学の世界を紹介し、古くから人々の間で共有されてきた立山のイメージの移り変わりを伝えている。11月4日まで。 地獄のある山として畏怖の対象だった立山は、古くは今昔物語集に登場する。現世とは断絶された異界とされてきたが、江戸時代に入ると徐々に認識が変化し、江戸後期には「おばけかるた」など娯楽の題材にもなっている。 企画展ではさまざまな時代の説話を紹介。「立山の幽霊」をテーマにした展示では、18世紀中頃の「立山に来れば亡くなった人に会える」との俗説を題材にした「似(にせ)幽霊」の説話を取り上げた。県内初公開の「亡女の片袖」(大阪府・融通念佛宗総本山大念佛寺蔵)もある。 12日午後1時からは同博物館隣の芦峅公民館で、富山市出身の落語家、桂米福さんが怪談「江島屋騒動」を披露する。企画展の観覧券が必要で、当日午後0時半から先着順で受け付ける。北日本新聞共催。