北陸新幹線の延伸効果、福井発展へつなげる決意…「にぎわい継続し暮らしも良く」敦賀市長も力込め
多くの官公庁や企業で「仕事始め」を迎えた6日、福井県内でも自治体の首長や経済団体幹部らの年頭のあいさつや記者会見があった。昨年3月に金沢―敦賀間が延伸開業した北陸新幹線の経済効果などを踏まえ、福井発展への決意を新たにしていた。(川上大介、荒田憲助、高山智仁) 【写真】今年の抱負を述べる米沢市長(敦賀市役所で)
県庁では、事前に収録された杉本達治知事のあいさつが配信され、職員らがモニターで視聴した。杉本知事は新幹線延伸による観光客らの増加などを「大きな成果」と評価。「勝負はこれからだ。より高いステージを目指して新たな種をまく大切な年になる」と強調した。延伸効果の県内全域への波及や訪日外国人客(インバウンド)の拡大を課題に挙げ、解決に向けて挑戦するよう職員に呼びかけた。
今年春の県立大恐竜学部の開設準備に取り組む県大学私学課の職員(33)は「受け入れ態勢を着実に進めていきたい」と抱負を語った。
北陸新幹線の終着駅が誕生してにぎわいを見せる敦賀市では、米沢光治市長が記者会見を開き、「にぎわいを継続し、市民の暮らしも良くなるように努力したい」と力を込めた。福井市の西行茂市長は記者会見で、4月に開幕する大阪・関西万博に合わせて多くのインバウンドが見込めるとの考えを示し、「福井に誘導するチャンスだ」と述べた。
福井商工会議所は福井市内で賀詞交歓会を開催。県内企業の経営者や国会議員ら約510人が出席した。
八木誠一郎会頭は、新幹線延伸について「広域的な経済交流をさらに進め、顕在化した課題にも向き合う」とあいさつ。今月発足する米トランプ政権にも触れ、「通商や環境の政策転換が予測され、世界経済はさらに不透明感を増すのではないか。注意深く備えることが重要だ」と表情を引き締めた。